がんセカンドオピニオン~がんを捉えなおす

 

穏やかに、いつもと変わらない日常生活を、最期のときまで、
いつも通りに過ごしていたい。こんなあたり前なことが難しい世の中に
なってきている。
 私が山崎章郎氏と出会ったのは1993年、今から30年前。
一番大事な人を、がんで亡くした直後のことだった。
「家に帰りたい。もう、抗がん剤治療はやめたい。」
患者に意思決定の選択肢はなく、最後まで過酷な抗がん剤治療を受け続け、
がんと闘いながら、治ることを信じて、幕を閉じた。日本にまだ緩和ケアも
ホスピスという名前も、ほとんど知られていない時代のことだった。
 1990年、緩和ケア医である山崎章郎先生は『病院で死ぬということ』という
本を執筆した。緩和ケア?ホスピス?なんのこと?この本は闘病生活を送って
いる多くの人達に苦しみからのがれるすべを与えた。苦しむことなく、
ホスピスに入って、残りの時間をおだやかに過ごしたい。
この一冊を読み、そう思った人はたくさんいたと思う。
 ホスピスとは、病気による苦痛を緩和し、最期のときを穏やかに、
人間としての尊厳を失うことなく、過ごし、生きぬく場のことである。
緩和ケアとは、命に関わる病気に直面している患者自身、そしてその家族の、
痛みや精神的苦
痛、不安、苦しみをできるだけやわらげ、緩和していくことに
おもきをおくケアのこと。30年前の日本はまだこのどちらもが浸透して
いなかった。
 山崎章郎氏は今75歳になり、自身が大腸がんの闘病生活を続けている。
抗がん剤治療でつらい副作用を経験しても、再発、転移してしまった。
残りの時間を副作用に耐えて、何もできないで痛みや苦しみと闘いながら
過ごすより、治療を終診し、身辺整理し、家族と共に、住み慣れた場所で
穏やかな日々を過ごすことを彼は選んだ。
 抗がん剤治療を止めると、副作用も苦痛もなくなり、比較的体は元気になり、
穏やかに余生を送っている患者さん方を、医者として何人もみてきた上での
選択肢だったという。山崎氏は今、医者でなく患者の視点で、がんを見つめ
直している。「緩和ケア、終末期医療を行なってきたはずなのに、その一歩
手前の、終末期の手前のケア、ケアの空白を埋めてこなかった・・・
私は標準治療はやめましたが早く死にたいわけじゃない。」と。

日本伝承医学が、がんの患者さん方のセカンドオピニオンとしてスタート
してから20年の歳月がたった。遠方から泊りがけで何人もの方々が来られた。 
往診、病院、施設等、どんなに遠方でも、こちらも出向いた。寄り添い、
理解し合い、共に歩むこと。今起きている事象を敵視するのではなく受け入れること。
がんは闘うのでなく、共存共生していく姿勢が大事なのだから。
 家庭療法として自身でできることはたくさんある。痛みや苦しみを緩和していく
すべもたくさんある。今の時代があまりにも医者任せになってしまい、
先人たちの叡智を、人々が忘れてしまっただけだ。
 日本伝承医学は日本に綿々と伝承されてきた医学、生活の知恵の結晶である。
がんや重篤な病気、症状による苦痛を肉体的、精神的にも緩和しケアしていく
緩和ケアのための場である。
20年前に発刊した『がんを捉えなおす』(有本政治著)を再度ここに掲げる。

今現在抗がん剤治療をおこなっている方、手術も抗がん剤治療もはじめから
やらない方、やりたくない方、民間療法を色々まわってきて最終的に当院に
たどり着いた方々、様々な方が様々な事情で訪れて来られます。
日本伝承
医学が、皆様方の命のとらえ方、病気のとらえ方を再考されるきっかけ
になり、
健康回復の一助とならんことを願います。 

                  日本伝承医学心理療法士 内田多美子 
※セカンドオピニオン(Second opinion)とは 何かを決断するために第三者の
 意見を求めることを言います。日本伝承医学では、日本伝承医学臨床士、
 福祉相談員、パーソナルトレーナー、心理療法士、食品衛生管理者、調理師が
 チームとなり「食・息・動・想・眠」のプログラムを立てて臨床にあたって
 いきます。治療院まで来られない場合は、ご自宅や入居施設等までの訪問も
 可能です。

 内容:問診・カウンセリング/日本伝承医学の施術による身体調整/  個別操法
    ペアストレッチ/リハビリテーション/食事療法(食事指導)   
    家庭療法指導(ストレッチ法・アイスバッグによる局所冷却法)

≪参考文献≫有本政治著:「日本伝承医学は現代の遺伝子治療

           「日本伝承医学の治療と家庭療法

           「家庭療法としての局所冷却法
                 
            『日本伝承医学家庭療法』第1章~第14章
                                    
がんを捉えなおす』 著:有本政治 20031119

           発行:有限会社日本伝承医学研究所 

    ※日本伝承医学のホームページでもご覧いただけます

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