「頭部冷却法」と「横たわること」の重要性

 

人間の病気は免疫力と生命力が低下し、血液の循環・配分・質に乱れが生じ
た時に発症します。血液の循環が滞ると頭部にうまく血液を廻せなくなり、脳
に血液不足が起こります(虚血)。脳内の血液不足を改善するためには、頭部
冷却法と横たわることが重要になります。

 

【頭部冷却法】

人間は二足直立を果たしたが故に、四足動物とは異なり、脳が虚血になりや
すく、少ない血液を早く脳内に廻らせる必要性から、脳内の圧力(脳圧)を高く
しなければなりません。脳圧の上昇は脳内温度(脳温)を上昇させ、脳幹部に熱
をこもらせていきます。

脳幹部は脳の中心に位置し、生命維持機能を統括する指令中枢部になります。
生存の上で欠かせない自律神経の神経核、感覚神経核、運動神経核等の核が
存在し、呼吸、心拍、体温、情緒等を司る重要な場所になります。この脳幹部
に熱がこもると全司令系統に乱れが生じるため様々な病気や症状を発症させます。

また精神的ストレスや心労等の感情も脳を酷使し、脳内に熱をこもらせてい
く要因となります(脳の炎症)。氷枕とアイスバッグを用いた「頭部冷却法(ひた
い、首筋、後頭部等)」が有効なのは、脳温を速やかに下げ、脳の炎症を除去
するためで、家庭療法としては安全で効果のある最適の方法であるからです。  

 

【横たわることの重要性】

人間は横たわることで初めて重力から身体を解放させ、休ませることができ
ます。横たわることで心臓ポンプ装置の補佐役である横隔膜のポンプ作用の働
きが充分になされ、体内の血液・リンパ液・全細胞液を速やかに体内にめぐら
せることができます。横たわれば心臓から充分に脳へ血液を廻らせることもで
きるので心臓への負担も軽減でき、脳の虚血も回避できます。

免疫力を高めるには眠れなくても横になり体をやすめることが大事です。
床につく時間も大事で、夜10時から明け方4時迄の時間帯が最も新陳代謝が良
く、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは体の全細胞を活性化し、
たんぱく質代謝、筋肉代謝等の重要な代謝を促進します。睡眠不足は免疫力を
著しく低下させるだけでなく、休眠しているがん細胞を原発させる要因のひと
つにもなり得ます。疲れている時、体が弱っている時、病気の時こそ横たわる
時間をできるだけ多くとると共に、寝る時間帯にも気をつけて過ごすようにし
ていきます。 

 (参)日本伝承医学では『食・息・動・想・眠』の家庭療法を推奨しています。
   健康を維持するための「頭部冷却法」と「横たわること」の重要性は、
   食息動想眠の上に成り立っています。

家庭療法として以下文献も御参照下さい。   著:有本政治

『病気治しの基本~動物に学ぶ』 

 『本気で病気を治したいなら横たわる時間と睡眠が最重要となる』

 『家庭療法として推奨する頭と肝臓の局所冷却法は何故必要なのか』

 『つま先立ちと腕立て伏せは何故必要なのか』

『日本伝承医学の治療と家庭療法のすすめ』

 『ひたい冷却の意味』 

 『人は何故病気になるのか?回復させるためにはどうしたら良いか?』

 

『新型コロナウイルスの予防には生命力と免疫力を高めることが一番肝要 

となる そのためには日本伝承医学の治療と家庭療法が有効である』

『食・息・動・想・眠』