※患者さんの皆様方は熟読して下さい。このような状況の時にこそ、当院の治療が
有効になります。免疫力を上げるためにも、間隔をあけて来ている方はできるだけ
受診するようにしてください。受診間隔は体調をみて決めさせて頂きます。
当院は予約でいっぱいのため、なかなか初診の方が入りにくく、予約がとりにくい
状況ではありますが、体質的に心肺機能が弱い方、免疫力の落ちている方を優先
に診ていくように致します。
                        2020年4月4日  院長 有本政治



新型コロナウイルスの予防には生命力と免疫力を
高めることが一番肝要となる
そのためには日本伝承医学の治療と家庭療法が有効である



世界中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延しています。各国がその
予防策に追われ騒然となり、戦々恐々の日々を送っています。当然、感染者との
接触を避け、マスク、手洗い、うがい、除菌消毒などの励行は最低限の予防策に
なります。ただここで考えなくてはならない問題がある事を提起したいと思います。

それは我が国に停泊していた大型クルーズ船のダイヤモンドプリンセス号の事例
になります。この船には乗員乗客約3700名が乗船していました。その内約700名が
コロナウイルスに陽性反応を示しました。しかし残りの約3000名に関しては感染が
確認されませんでした。コロナウイルスが体内に入っても、免疫力が高かった人は
感染しなかったのです。

毎年流行するインフルエンザに関しても同様です。インフルエンザの予防注射を受
けていても多くの人が罹患します。また、家族がインフルエンザになっても、家族全
員がインフルエンザウイルスを体内にとり込んでも、発病しない人もいます。

こうした例が示すように、自身の免疫力があるレベル以上に備わっていれば、どの
様な感染症や伝染病が蔓延しても発症はしないのです。ここに新型コロナウイルス
感染予防の重要な鍵が示されています。つまり自身のもつ免疫力を高めることが
不可欠となるのです。さらに自らの生命を維持するための生命力を高める必要も
あります。


『生命力とは細胞新生力であり、免疫力とは造血力』

生命力をわかりやすく例えると、新生児の成長過程の細胞新生が挙げられます。
誕生からの体格の成長には目を見張るものがあります。これは旺盛な細胞新生に
よるものです。生命を構成する最小単位となる細胞が次々と生み出され、体格だけ
でなく、体も強壮になっていきます。これは当然大人になってからも時々刻々行なわ
れており、新たな新鮮な細胞に置き換わっているのです。逆にこれが止まる時が死
になります。つまり生命力とは、生命の最小単位となる細胞が生み出される細胞新
生力を指しているのです。

次に免疫力を説明します。免疫力とは、生命に有害な細菌やウイルスが体内に入
った場合に、これを殺菌、除菌、排出する事で、生命を守る働きをする力を指します。
この働きは人体の血液が担っていて、特にその中の白血球が主体となります。
ここから分化した免疫細胞と顆粒球とリンパ球の貪食作用により、有害な細菌やウ
イルスが死滅、除去される事で私たちを病気感染から守っているのです。
つまり免疫力とは血液の作用であり、血液成分の赤血球、白血球、血小板が担っ
ている血液力であり、新鮮な血液が増産される事で達成されるのです。言い換え
れば造血力と言えます。


『細胞新生と造血は人体の骨髄が主体となる』

造血と細胞新生は人体の骨の中の骨髄において行なわれています。骨髄で新鮮な
赤血球、白血球、血小板が作られています。また骨髄の中には全ての細胞の母体
となる幹細胞(かんさいぼう)が大量に存在し、人体に今必要とされる細胞を新生する
場所でもあります。

この骨髄機能を発現する事で、造血と細胞新生の両方を一番効率的に合理的に
達成する事ができるのです。つまり生命力(細胞新生力)と免疫力(造血力)を高め
るためには骨髄機能を発現する事が不可欠となるのです。


『骨髄機能を発現させる事を目的に構築された日本伝承医学』

骨の中の骨髄は生命活動に極めて重要な働きを担っています。日本の古代人は
その事に着目し、病気治しの主体に骨髄機能を発現させる方法を構築しました。
骨の特性である圧電と骨伝導を応用し、骨に圧とヒビキ(ゆり、ふり、たたき)をか
ける事で、骨髄機能を発現させる技法を開発したのです。この技法が日本伝承医
学になります。

この技法により骨髄機能にスイッチが入り、造血と細胞新生を活発に働かせること
ができます。そして全ての病の根底にある生命力や免疫力の低下を元に戻し、病
気の直接的要因となる全身の血液の循環・配分・質の乱れを整え、体を回復に向
かわせる事ができます。

新型コロナウイルスにおいても、病の機序は同じであり、特に予防においては、自
身の生命力と免疫力を高めることは、何をおいても優先的に行なうべき課題となり
ます。これを短時間で効率よく、合理的に行なうことができるのが骨髄機能を発現
させる日本伝承医学になります。


『生命力と免疫力を高める家庭療法は横たわる時間を確保し脳温を下げること』

具合の悪くなった動物は、地面の冷たい場所にじっと横たわり回復を待ちます。
食べ物もとらなくなり、ただひたすら横たわっています。彼等は本能的にどうすれ
ば命を守る事ができるのかを熟知しているのです。横たわる事で、動くための体力、
筋力の消耗を最小限にします。重力から解放された体内の血液の循環、配分は、
体力を消耗させることなく行なわれ、心臓までの血液の還りを良くします。頭の位置
を心臓と同じ位置に置く事で脳内に血液の供給を促し、脳幹の働きが活発になる
ので基本的生命維持機構への指令が円滑になり回復を促進させてくれるのです。

物を食べなくなるのは、消化の方にエネルギーや血液を無駄に使う事を避け、体力
回復の方に優先的に大量に振り向けるためです。命を守る最善の選択を本能的
に行なっているのです。人間も動物たちを見習い、同じようにする必要があります。
人間の場合、四つ足から二足直立という縦長な構造に移行したために、縦の重力
に抗するためには巨大なエネルギーを消耗します。動物たち以上に重力から解放し
て横たわる必要が生じるのです。

立位や坐位の姿勢は心臓と脳への血液循環に大きなエネルギーを使い、体力の
消耗は甚大です。また、二足直立を達成した人類は脳と心臓に虚血(血液不足)を
生じやすい構造的弱点をもっています。脳においては少ない血液を脳の隅々まで
早く循環させる必要から、脳圧を高める対応を余儀なくされ、これが脳内の温度を
上昇させる原因となっています。脳温の上昇は脳の中心の脳幹部に熱を蓄積させ、
脳幹の指令に乱れを生じさせ、基本的生命維持機構を乱し、様々な病気を発症さ
せていきます。こうした事態を回避するためにも体を横たえることが重要となります。

そしてもう一つ大事なことは、脳の中心の脳幹部に蓄積した熱を除去する事です。
氷を利用した局所冷却法で、脳温(脳内温度)を下げる事です。脳温を下げて、脳
の炎症をとり去り、脳幹の機能を回復させることが全ての病気治しの基本となりま
す。古代から日本人はこのことに気付き、脳温を下げる方法として“ひたい冷却”
の方法を残していたのです。

このように横たわる時間をできるだけ長くとることと氷を使って頭部冷却をし、脳温
を下げることが、生命力と免疫力を高める家庭療法としての二大必須条件となり
ます。さらに当院では、血液の配分と質を元に戻すため肝臓胆嚢冷却法を推奨し
ています。詳細はホームページの日本伝承医学家庭療法の項を参照して下さい。


『新型コロナウイルスの予防と罹患した場合の局所冷却法』

当院では氷枕とアイスバッグでの局所冷却法を必修科目としています。日本には
古来から頭寒足熱(ずかんそくねつ)という健康法があります。頭部を冷やし足元を
温めると、血液の循環が良くなります。心臓に血液が還りやすくなり、心臓に熱が
帯びなくなるので、肺にも炎症が起きにくくなります。つまり新型コロウイルスの発
症を未然に防ぐことができます。

頭寒足熱法とはまず仰臥位になり足元には湯たんぽを置き、頭は氷枕を枕カバー
に包み枕の上に置きます。アイスバッグで首筋やひたいも冷却します。
新型コロナウイルスのように肺に炎症があるときは、アイスバッグを両胸骨鎖骨関節
から胸部にかけて冷却します。左の肺と心臓の裏(背中側)にもあてます。アイスバッグ
は最低2つは必要になりますが、肺に炎症が起きている時には6個必要になりますの
で常に用意しておくことを勧めます。

肺炎は肺の炎症ですから、徹底した熱の除去が必要になります。上記の局所冷却
法を24時間体制で行ないますが、体が寒くなったり、冷却が負担になる時は臨機
応変に冷却時間やアイスバッグの個数を増減してください。冷却による副作用の
心配はありません。すぐに症状は変わらなくても、根気強く継続していくことです。

急性症状が回復しても肺の炎症はしばらく続きます。午後になると微熱が出てくる
期間がしばらく続く場合がありますが、横たわる時間をできるだけ長くとるようにして、
局所冷却を継続してください。平熱に戻り微熱が出なくなれば回復です。
生きている体の起こす対応は全て意味があります。肺の炎症は、肺の機能を回復
させようとする命を守る必要対応になります。故に薬剤等を使用して急激に熱や炎
症を除去してはいけません。症状をより深部に籠らせ、より重篤な状態に移行させ
てしまうからです。