日本伝承医学の腺がんの治療
腺がんとは腺組織とよばれる上皮組織から発生するがんで悪
性上皮性腫瘍として定義され、胃・腸・子宮体部・肺・乳房・
卵巣・前立腺・肝臓・膵臓・胆のう等の様々な部位に発症し、
病理検査により判別されます。
腺は全身を網羅し微細な全細胞に及び、全臓器の新陳代謝を
担っています。
細胞は日々新たに生み出され代謝を繰り返して生命を存続させ
ていますが、腺ががん化するということは、自身の大幅な免疫
力の低下が存在しているということになります。
全身のとりでとして存在している腺が、異常な熱や毒素を外部
へ排出させようとしている正への対応の姿が腺がんになります。
※上皮組織とは体の表面や消化管や血管の内表面に位置する
組織で、表皮、血管内皮、消化管上皮等が挙げられます。上皮
組織を構成する細胞を上皮細胞と言い、細胞同士は隙間なく密
着していることが特徴になります。
【腺とは】
私たちの体には生きる上で必要な物質を生成し蓄えて、必要時
に細胞の外へ放出する「分泌」という働きをする分泌細胞(分泌
物)があります。この分泌物を生成して排出する機能をもつ生体
組織を腺(せん)といいます。
腺には外分泌腺と内分泌腺があり、分泌物を体表や器官、消化
管内等へ一般に導管を通じて排出する腺を外分泌腺と言い、導
管をもたず分泌液を血液や組織液中に排出する腺を内分泌腺と
言います。
●外分泌腺・・・ホルモンやその他の物質(消化酵素等)を血液
中ではなく導管(排出管)を通して体外へ放出します。
唾液腺・胃腺・汗腺・粘膜腺・乳腺・涙腺・皮脂腺・毒腺・
じゃこう腺・塩類腺・絹糸腺・消化腺・気管腺等
●内分泌腺・・・排出管を通さず内分泌腺から血液中や体液中
にホルモンを直接放出します。内分泌される物質のことをホル
モンと言います。
下垂体・視床下部・甲状腺・副甲状腺・副腎・膵島細胞・生殖
腺・精巣・卵巣(胸腺は内分泌腺ではありません)
【がん細胞】
がん細胞は正常細胞から生み出され、誰しもの体内に存在し
ている細胞になります。免疫細胞がこれを異物と認識した場合、
がん細胞は退治され死滅していきます。ところが過労や心労、
精神的ストレス、睡眠不足、栄養の偏り等で体の力が低下して
いくと、免疫力が弱まり、免疫細胞が正常に働かなくなり、休
眠しているがん細胞を原発させていきます。つまりがんは免疫
力が低下したときに発症していくのです。
体内の菌にも良い菌と悪い菌があるように、人の細胞にも良い
細胞と悪い細胞があります。物事に裏と表があるように、小宇
宙である人体にも裏と表の二面性が存在します。これらがバラ
ンスを保ちながら命は保たれています。
がん細胞と免疫細胞は共存し合って存在しているのです。
【免疫力を低下させないためには】
一日二食(朝食と昼食)にし、夜は8時に床に就くようにしま
す。16時間あけることで弱った臓器を回復することができるか
らです(オートファジー理論)。眠れなくても8時に横たわるこ
とで体は重力から解放され全臓器が休まります。
脳幹部の熱のこもりを除去するために就寝時には頭部冷却(後
頭部、首筋、ひたい等)を毎日行ないます。脳幹部(視床下部)
の熱が除去されることで自律神経のバランスが保たれ、心拍・
呼吸・脈・代謝・排泄・発汗等の基本的生命維持機構が正常に
働くようになります。
2週間に一度の日本伝承医学の治療では血液の循環・配分・質
を整え、免疫力と生命力を高めていきます。家庭療法としての
「食・息・動・想・眠」を合わせて実践します。がんは敵視す
るのではなく正への対応の姿として捉え、共存共生していく選
択肢があるということを知って頂きたいと思います。
≪参考文献≫有本政治著:『がんを捉えなおす』
「一日二食のすすめ」
「オートファジー理論」
「日本伝承医学は真のセカンドオピニオン」
「日本伝承医学は現代の遺伝子医療」
「日本伝承医学の治療はがんに有効な理由」
「食・息・動・想・眠」
「日本伝承医学家庭療法」