日本伝承医学の病気の捉え方は
        真のセカンドオピニオン

今から40年程前から日本でもセカンドオピニオンが提唱され
るようになりました。セカンドオピニオンとは「第二の意見」
のことを指します。診断や治療法について主治医以外の医師の
意見を聞いて参考にするのですが、これでは真のセカンドオピ
ニオンとは言えません。現代医学では病気や症状は一方的に悪
い事として捉えています。そして症状を封じ込める薬物療法や
手術による処置がほとんどです。故にたとえ医師を変えたとし
ても診断と対処法に大差は生じません。つまり真のセカンドオ
ピニオンを求めるのであれば、現代医学とは異なる視点からの
病気の捉え方を知る必要があります。
 自然界や社会を貫く不変の真理として「正反二面性の法則」
というものがあります。一方的な悪は世の中には存在せず、
180度視点を変えた正の対応としての病気の捉え方があること
を知らなければなりません。正の対応とは、生きている体が命
を守り、病気を回復に向かわせるための必要な体の反応のこと
を言います。一時的に苦痛を伴うものであっても、体を元の状
態に戻すためには不可欠になります。
 一例として風邪やインフルエンザの時の発熱症状があります。
発熱は苦痛を伴いますが、高熱を出す事で風邪やインフルエン
ザのウイルスの増殖を抑え、発熱により体内の分子運動を活発
化させ、弱った体を元に戻そうとします。故に解熱剤で一気に
高熱を下げてしまうと、行き場を失った熱が内部にこもり、深
部へと進行し、髄膜炎や急性心筋炎を引き起こすことがありま
す。微熱も同様で、解熱剤や抗生物質を長期に渡り使用してし
まうことで急性白血病等を誘発させる場合があります。
また大腸ポリープを手術で切り取ってしまうと、体は熱や毒素
の排出先を失い、がんという最終対応にせまられていきます。
ポリープががんになるのではなく、ポリープという正への対応
を処置してしまうことでがんと化してしまうのです。熱や毒素
は人為的に封じ込めてはいけないのです。
 このように病気や症状には病体を元に戻すための必要な対応
の側面が必ず存在します。この正への対応を無視して、病状を
一方的に封じ込めるだけの処置を行使すれば症状は深部に移行
し、寿命を大きく縮めることになりかねません。
病気や症状を
悪とするモノ・コトの見方からは、真の病気の本質と改善策は
決して見えてはこないのです。
 
≪参考文献≫有本政治著:『がんを捉えなおす』