オートファジー理論

 オートファジー(自食作用)とは、ギリシャ語のファジー(
べる)にオート(自ら)を組み合わせた造語になります。細胞内
に存在するたんぱく質等から余計な物をとり除いて生まれ変わ
らせる仕組みになります。初めに人間の細胞内に「膜」が出現
してたんぱく質等を包み込み球状の構造のオートファゴソーム
を作ります。このオートファゴソ-ムに分解酵素が入ったリソ
ソームという袋が接触、融合することでたんぱく質が分解され
ます。
 人間の細胞は毎日少しずつ入れ替わり新陳代謝を繰り返して
いますが、このオートファジーによって、細胞が新生、再合成
されることを明らかにしたのが日本の生物学者(分子細胞生理
)大隈良典氏になります。オートファジーは今から50年程前
から研究されてきましたが1996年に解明が進み2016年に大隈氏
がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
 命をつなぐ細胞内のリサイクル機能としてのオートファジー
は世界中に認知され、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、
脊髄小脳変性症、アルツハイマー型認知症、運動障害等の神経
変位疾患にも関係することが立証されました。
 オートファジーは一日二食にして16時間、固形物を体内に入
れず消化器官を休ませることで、細胞が新生、再合成されると
いう理論になります。日本伝承医学では『食・息・動・想・眠』
として一日二食と横たわることの重要性を家庭療法として推奨
してきました。朝食を68時迄にとり、次の食事を122時迄
にとり、就寝時迄は6時間をあけます。この間、水の摂取は必
要ですが固形物はとってはいけません。夜は8時頃床に就くよ
うにして、眠れなくても朝68時位迄は横になっています。
 この理論は5000年の歴史をもつインドの伝統医療アーユルヴ
ェータ(生命の化学)では健康維持、病気治しとして実践され
てきましたが、日本でも2016年にノーベル生理学・医学賞を
受賞してから、社会に浸透してきました。一日二食と横たわる
時間をできるだけ多くとるということが神経変位疾患のみなら
ず、様々な病気や疾患に対しても有効であるという事が、医学
的にも証明されたのです。

≪参考文献≫ 有本政治著:「一日二食のすすめ
             「食・息・動・想・眠
             「眠りの質をよくするには
             「横たわる時間と睡眠が最重要
             「日本伝承医学の家庭療法