血球貪食症候群

 私たちの体の血管には組織球と呼ばれる細胞が存在していま
す。組織球は細胞の異物や老廃細胞等を食べて分解しています
が、体内の炎症性サイトカインが異常に増殖してしまうと組織
球は活性化し、正常な血球(赤血球・白血球・血小板)までも食
べてしまうように(貪食)なります。⇒血球減少

この病態を血球貪食(どんしょく)症候群と言います。
 この疾患は一次性(遺伝性)と二次性に大別されます。一次性
は生まれつきの白血球(リンパ球)の働きを調整する遺伝子変異
により異常な免疫反応を起こすことから、家族性血球貪食症、
リンパ組織球症と呼ばれます。二次性は感染症や悪性腫瘍、
自己免疫疾患等の基礎疾患により異常な免疫反応が引き起こさ
れることが引き金で発症すると言われています。化学物質であ
る薬物による血液学的副作用として発症する場合もあります。
特に強い抗生物質や抗がん剤は、正常細胞をも破壊するため、
血液細胞に大きなダメージを与えてしまいます。
 血球貪食症候群の症状としては発熱が続く、お腹が張る、
動悸や息切れ、むくみ、全身倦怠感(疲労感、だるさ)、めまい、
立ちくらみ、呼吸困難、リンパ節腫張、血球減少、中枢神経障
害、肝障害、腎障害、脾機能亢進症、貧血、出血(皮下出血、
内出血、血尿血便、鼻血等)、骨粗しょう症、転倒による骨折、
肝脾腫、皮疹、けいれん、下痢、顔面浮腫、睡眠障害、情緒不
安等が挙げられます。自己血球を貪食するため、全身性の高炎症
症候群に分類される難治性疾患のひとつとされます。重篤化す
ると多臓器不全に至る場合もあります。

【組織球】
 組織球は白血球の一種で、免疫機能に関与する単核細胞に属
します。骨髄で産生され、体外からの病原体や薬物等の化学物
質に反応し、それらを異物
()とみなし、とり込んで消化する
大形のアメーバ状の細胞になります。血液中から血管外にも遊
走し、貪食することから大食細胞とも呼ばれます。
 組織球とはいくつかの種類の細胞からなる総称で、抗原提示
細胞である樹状細胞と、抗原貪食細胞であるマクロファージに
大別されます。これらの細胞は造血幹細胞に由来します。
 日本伝承医学は骨にゆり・ふり・たたきの振動と圧を加え、
骨髄機能を発現し造血幹細胞にスイッチを入れることできます。
病原体や化学物質
(薬物等)の侵入により狂った造血幹細胞の働
きを正常に復する事ができる唯一の治療法です。これが如何な
る血液の病気に対しても著効を示す所以になります。

【血球減少】
 血液は赤血球・白血球・血小板という血球と、血漿(けっしょ
)と呼ばれる液体でできています。血液は血管の中を流れ、
体の隅々に酸素や栄養素、ホルモン等生命維持にとって必要な
物質を運ぶ重要な役割を果たしています。
赤血球減少・・・赤血球は体中に酸素を運ぶ働きをしています。
心臓や脳は赤血球が運んでくれた酸素
をとり込んで働きます。
故に赤血球が減少してしまうと心臓と脳に支障をきたすため、
めまいや立ちくらみ、むくみ、だるさ等の症状を引き起こしま
す。骨髄で作られた赤血球は
120日程働き最後は脾臓で分解さ
れます。
白血球減少・・・白血球にはウィルスや細菌等の外敵が体内に
侵入すると攻撃し排除してくれる役割があります。そのため減
少すると免疫力が大幅に低下し感染症にかかりやすくなります。
肺炎等重症化する場合もあります。白血球は種類によって骨髄
やリンパなど作られる場所が異なります。寿命は約2週間にな
ります。

血小板・・・血小板は止血の役割を担います。血小板が減少す
ると、出血しやすくなったり、血が止まらなくなったりします。
意識障害を引き起こすこともあります。寿命は約35日で体内
で働く期間が最も短い血球になります。

【炎症性サイトカイン】
 人間の体内で炎症反応を促進する働きをもつサイトカインの
総称になります。サイトカインとは、炎症の重要な調節因子で、
細胞から分泌される低分子のタンパク質の総称になります。
細菌やウィルスや薬物等が体に侵入すると、炎症性サイトカイ
ンがこれら異物を敵と判断し、炎症反応を起こして体を守りま
す。炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインは本来バラン
スを保って私たちの体の健康を維持していますが、このバラン
スが崩れると、炎症性サイトカインは異常増殖し組織球が活性
化し、血球貪食症候群を発症させていきます。

【日本伝承医学の治療】
 日本伝承医学の治療は骨の特性である圧電作用と骨伝導を使
用して、骨にゆり・ふり・たたきの振動(ヒビキ)や圧を加える
ことによって骨髄機能を発現させ、低下した造血力と細胞新生
力を高めていきます。骨髄機能を正常に復するので血液の循環・
配分・質を整え、血液組織を改善できます。
 血液の疾患の場合は白血球が新たに入れ替わる周期に合わせ
2週間毎の治療となります。日本伝承医学では30年に渡り血液
検査のデータを集積しており、その検査推移から、赤血球・白
血球・血小板が正常値に戻ることを立証しています。
       
      ≪参考文献≫ 有本政治著

       「日本伝承医学治療後の血液検査の推移」
       血液検査表の見方
       血小板  
       脾臓の働き
       動脈硬化症を捉えなおす
       身体調整の周期が二週間ペースが必要な理由
       「がんを捉えなおす        
       がんセカンドオピニオン

※上記文献は日本伝承医学の公式ホームページからご覧頂けます