脾臓の働き

脾臓は左脇腹の上方にあり、古くなった赤血球を分解処理し常に血液
中に新鮮な赤血球を送り出しています。血小板の貯蔵庫としての役割
もあります。また脾臓では多くのリンパ球が作られ、体内に入ってき
た細菌やウィルスと闘う抗体を作ってくれるので、免疫の要(かなめ)
と言われています。

【脾腫】脾臓はスポンジのように柔らかい臓器のため、腫れると23
倍位の大きさになります。脾臓が腫れて大きく膨らみ肥大する症状を
脾腫(ひしゅ)と言います。脾臓が肥大すると血液中の血球と血小板が
脾臓にたくさん蓄えられるため、血液中の血球と血小板が減り貧血や
出血を起こしやすくなります。また脾臓が肥大すると裏側にある胃を
圧迫するため、腹部や背中に痛みを発症することがあります。肺を圧
迫して呼吸困難になる場合もあります。

なぜ脾臓は腫れて大きくなってしまうのでしょうか?
血液疾患、感染症、代謝異常等から起因すると言われますが、根本的
には血液の問題になります。血液がよごれてくると(血液の質の低下)
体は脾臓に赤血球をどんどん送り込み、きれいな血液に浄化しようと
します。よごれた血液が体内に多くなると、脾臓は血液の浄化作業
(赤血球の分解処理)におわれ負担がかかり、炎症を起こし腫れて肥大
するのです。

脾臓が腫れている時はアイスバッグでの局所冷却が著効を示します。
冷却により炎症がとれ腫れがおさまるからです。


()血液の質の低下とは、胆汁(たんじゅう)の分泌不足により血液が
(血熱)を帯びて赤血球同士がくっつき連鎖しどろどろでベタベタの
状態になること


脾臓の肥大を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
脾臓に負担をかけないことです。その為には血液を常に良い状態(さら
さらできれいな状態)に保つことが必要です。心労やストレス等で肝
臓機能が低下すると、胆のうが腫れて胆汁(たんじゅう)が分泌不足に
なります。胆汁には血液の熱を冷ます働きがあるので胆汁が出なくな
ると、血熱を帯びて血液はどろどろでべたべたになります(血液の質
の低下)。血液の質が低下すれば、血液の循環、配分にも乱れが生じ
てきます。つまり脾臓、肝臓、胆のうは互いに関わりがあり、脾臓は
脾臓単独で働いているわけではないのです。日々の生活でできるだけ
ストレスをためないことが血液をきれいに保つ秘訣で、脾臓に負担を
かけないということです。

 脾臓は左肝(左の肝臓)と言われる臓器で、日本伝承医学では肝胆の
叩打法とすい臓脾臓調整法を必ず一緒に用います。血液をきれいに
するため、血液の質を変える叩打法により、低下した血液の質(どろ
どろでべたべたの状態)を改善し、脾臓に負担がかからないようにし
ます。すい臓脾臓調整法は腫れや炎症を除去するため、脾臓機能を高
めます。家庭療法としては、脾臓、肝臓、頭部、両首の局所冷却法を
行ないます。