たこと魚の目
たこも魚の目(うおのめ)も皮膚が硬く厚くなる症状ですが、
たこには芯がなく、魚の目には中央に芯(角質の柱)があります。
たこは平たく広がってできるのに対して、魚の目は円形で境界
がはっきりし皮膚の奥に向かって角質の柱が食い込んでいます。
どちらも強い圧力や摩擦が集中してかかることでできますが、
広い範囲に繰り返しできて痛みがないのがたこで、同じ場所に
できて痛みが強いのが魚の目の特徴です。
魚の目は芯が神経を刺激するため、押したりその部位に圧が
加わると強い痛みが生じます。足の裏や足の指、指の間にでき
やすく、歩くと芯が皮膚に食い込んで神経を圧迫するのでかな
り痛いです。たこは皮膚が厚くなっているだけで痛みはほとん
どありません。たこは「ペンだこ」と言われるように指や手の
ひらにもできます。
たこも魚の目も一度できるとなかなか治りません。それはどち
らも慢性的な刺激(圧迫や摩擦等)による皮膚の防衛反応だから
です。皮膚は壊されないように角質層を厚くして適応している
のです。特に魚の目は痛みを伴い長期に及びます。表面や角質
を削ってしまうと体はますます防衛反応を強めます。削る行為
が刺激として認識され、皮膚は、防衛が足りないと判断して
角化(かくか)を促進させます。たこも魚の目も根本要因である
心臓機能の低下、足のアーチ構造の崩れを正さなければ完治で
きない症状になります。
※角化とは、表皮細胞(ケラチノサイト)が分化の最終段階と
して角質細胞となり、ケラチンを豊富に含む角質層を形成する
過程を言います。ケラチンは皮膚や毛、爪をじょうぶにする繊
維状タンパク質になります。
★アーチの崩れと心臓の弱り・・・
足のアーチ構造は長年の心臓機能の弱りから崩れてきます。
足の裏のアーチ構造が崩れると足の裏が扁平(へんぺい)になり、
本来地面についてはいけない部分が地面についてしまいます。
足の裏にできやすいたこも魚の目も皮膚を守る防衛反応で、
皮膚を肥厚し頑丈にすることで体を守ってくれています。
体に生じる症状や痛みには意味があり必要があって起こして
います。これを「正の対応」と言います。魚の目の痛みにも意
味があります。
≪参考文献≫「日本伝承医学の生命観」 著:有本政治
★魚の目の痛み・・・
魚の目の痛みの反射は瞬時にして心臓と脳へ伝搬されます。
痛みによって心臓の拍動を守り脳への血流を促しているので、
切開したりこの痛みを薬剤等で封じ込めないようにします。
痛みを人為的に封じ込めてしまうと体は熱の排出先を失い、
症状を深部に進行させます。痛みは心臓の拍動を助けて、心臓
機能を守ってくれているのです。
★魚の目のセルフケア・・・
基本は削るのではなく共存していくことです。角質の芯が
内側(真皮方向)に食い込んで圧迫して痛みを引き起こしている
ので、絆創膏やガーゼで対応しても垂直方向の圧力を逃がせな
いので痛みは残ります。痛みをのがすためには魚の目そのもの
に圧がかからないように、荷重を分散できるように工夫します。
圧力を分散するアクションパッド(部分用)、真ん中に穴があい
ている魚の目用の保護パッドや足裏用のドーナッツパッド等を
用いることで、痛みはかなり軽減できます。
痛みは体調不良でてきめんに強くなります。寝不足、過労、
ストレス等が続くと耐え難い痛みになります。ストレスが減り
養生できると痛みは終息してくれます。魚の目は自身の健康の
バロメーターなので共存共生の姿勢でいくようにします。
★足裏のアーチの重要性・・・
足裏のアーチ構造は、体重を効率よく分散し一点に体重が集
中しないように、上からの荷重を左右前後に分散させるために
造られています。衝撃を吸収して効率的な歩行や運動を可能に
する構造になっています。心臓機能が低下すると(心臓のポン
プ作用の低下)アーチ構造は崩れてきます。
★なぜアーチ構造が崩れるのか・・・
心臓のポンプ作用が低下すると、末端まで血液を廻すことが
できにくくなり足底支持筋の筋力が低下します。筋力が低下す
るとアーチが沈み荷重が一か所に集中し、たこや魚の目ができ
やすくなります。
※足底支持筋とは後脛骨筋、腓骨筋、足底内在筋、足底腱膜
等の足底等の足底の骨格アーチを筋力と張力支える筋群になり
ます。
★足のアーチが崩れると・・・・
足は第二の心臓と言われるように、足の裏が土踏まずを中心
にアーチを形成することで、体を支えて歩行をスムーズにして
います。このアーチはバネのような働きを担い、足を前へ進め
る推進力を生み出すのです。また体重や衝撃を分散したり吸収
したりして膝や腰への負担を軽減しています。
このアーチ構造が崩れると足の一部に負担がかかりたこや魚
の目を発症するだけでなく、腰痛や膝痛、股関節痛をまねくの
で、アーチが崩れてきた場合は初期の段階で毎日の爪先立ち等
のセルフケアが必要です。
★改善するためには・・・
改善するためには根本要因である心臓機能(心臓のポンプ作用)
を高めていく必要があります。日本伝承医学では心臓調整法を
用い、心臓のポンプ作用を高めます。横隔膜操法で失われた
横隔膜の上下運動をとり戻し、心臓の拍動を助けます。痛みは
記憶される性質があるので、痛みが強いときは日本伝承医学の
麻酔操法を用いて痛みの神経を解除します。
自律神経の交感神経が緊張すると、記憶された痛みは徐々に
強く感じるようになります。同じ痛みでも前の痛みより今の痛
みの方が強く感じてしまうのです。日本伝承医学の自律神経調
整法は交感神経の緊張をとり、副交感神経とのバランスを均等
にします。神経のバランスをとり戻すことで痛みの感覚が緩和
されます。
たこや魚の目ができたら、心臓の弱りのサイン(警告)だと思
うことです。心身共に少し休む必要があります。体は重症化す
る前にこのようにどこかにシグナルを出します。この初期段階
での警告を無視しないで真摯に受けとめていけば大事(だいじ)
に至らずにすみます。
★自分でできること・・・
長い歳月でつぶれてしまった足のアーチを元に戻すには、同
じようにまた長い歳月がかかります。基本のリハビリは爪先立
ちです。歯を磨いている時や立っているときに、暇さえあれば
つま先立ちをして過ごす習慣をつけます。数年間継続していく
うちに徐々にアーチが形成されてきます。
たこや魚の目ができている方、膝痛や腰痛、股関節痛のある
方は、自分のアーチを確認してみて下さい。若いときにはきち
んと形成されていたおわんをさかさまにしたようなアーチが、
つぶれて平たくなっていることに気づくと思います。アーチが
平たくなっていたら今からでも遅くないのでつま先立ちから
実践して下さい。長い歳月をかけてアーチはつぶれていくので
アーチをとり戻すには同じくらい長い歳月がかかります。あせ
らず根気強く行なうことです。
また、心臓機能を高め、たこや魚の目を改善するためには
体を重力から解放させてあげることは最重要になります。その
ためには早く床に就くことです。横たわることで負荷が軽減さ
れるからです。
≪参考文献≫ 「横たわることの重要性」 著:有本政治
「足底筋膜炎の本質と対処法」
「踵痛はなぜ起きるのか~その対処法」
「足の秘密」
「足(下肢)のポンプ機構について」
「痛み止めの話」
「体の痛みと筋肉と神経と心の話」
「日本伝承医学の生命観」