面疔(めんちょう)

 細菌感染症の一種である毛嚢炎()が皮膚の敏感
な部分、特に目や鼻、口元、顎の周辺に発生した
ものを面疔と言います。毛穴や汗腺に黄色ブドウ
球菌等の細菌が感染し炎症を起こすことで発症し
ますが、根底要因には自身の免疫力の低下があり
ます。ストレスや過労、睡眠不足、運動(歩行)
不足等で疲れが蓄積し免疫力が著しく低下した時
に生じます。強い痛みを伴います。
 皮膚は脳を薄く伸ばした状態といわれるように
脳と同様にセンサー(感知装置)の役割を果たして
います。体に異常が生じると皮膚がいち早くキャ
ッチして対応するのです。体内にとどめてはいけ
ない熱や毒素を、面疔等を作ることによってすてて
います。化膿させて膿(うみ)を出し毒素を排出して
いるのです。故に皮膚に現われた症状を薬剤等で
封じ込めないようにします。熱の排出先を失うと
症状は内部に進行していくからです。

【粉瘤(ふんりゅう)
 粉瘤は全身のどこの皮膚にも発症します。皮膚が
もりあがり柔らかいしこりとして現われます。
ふくらんだしこりの中央部が黒い点のようにみえ
ることがあり強く圧迫されると開口部が破れ角質
が排出されます。痛みやかゆみはありませんが、
化膿するとはれて赤くなり痛みが生じてきます。
(炎症性粉瘤)

【皮膚に現われる症状の捉え方】
 皮膚に現われる症状は、ストレスや心労等により
肝臓機能が減退し肝臓の解毒作用が低下した時に
発症します。肝臓で解毒できない毒素を皮膚上から
すてているのです。全ての皮膚疾患は内部の熱と
毒素をすてる対応手段であるという捉え方が必要
です。日本伝承医学では、肝胆叩打法により肝臓
の充血、胆のうの腫れを除去し、肝臓(胆のう)
機能を回復させます。家庭療法としては肝臓と
頭部の局所冷却法を実践します。その部位だけで
皮膚疾患をみるのではなく内臓機能との関連から
捉え改善していきます。
≪参考文献≫有本政治著:「皮膚病をとらえ直す
            「アトピー性皮膚炎
            「にきび・おでき
            「じんま疹
            「帯状疱疹
            「丹毒と掌蹠膿胞腫
            「蜂窩織炎(蜂巣炎)
          「日本伝承医学の家庭療法