蜂窩織炎の本質と対処法
 
 蜂窩織炎(ほうかしきえん)は難病の皮膚疾患になります(蜂巣
炎とも言います)。細菌感染が原因とされていますがこれは結果
として生じるもので、背景には肝心要(肝臓胆嚢心臓)の機能
低下による免疫力と生命力の低下があり、血液、リンパ液等
全ての体液、細胞間を満たす細胞間質液等の液体の停滞にあり
ます。「流水腐らず」と言われるように停滞した液体が腐り毒
を発生し始めた状態が体内に作り出されたのです。これを回避
する緊急対応の発動が強烈な皮膚炎となったのです。皮膚炎を
発生することで毒素と内熱をすてている対応になります。故に
この皮膚病を初期の段階で薬等で封じ込める処置をとってしま
うと回復を遅らせ慢性化させてしまうことになります。兆候が
みられたら免疫力がかなり弱っている状態なので無理をしない
でしっかり養生することが必要です。無理をし続けると毒素が
全身の血液に廻り、臓器不全に陥り敗血症等に移行する危険性
もあります。腫れが広がり痛みで一歩も歩けなくなったら危険
な状態と認識して下さい。

 初期の段階では、体を休めアイスバッグを患部にあて炎症を
鎮めます。兆候としては患部の痛み、腫れの他、微熱が続き、
倦怠感、だるさ、疲労感がみられます。根本要因は胆汁の分泌
不足(血熱を生じさせ、赤血球連鎖と変形が生じ、毛細血管が
つまる)と心臓機能低下(足にむくみが生じ、体液停滞を起こす)
にあります。日本伝承医学ではこれらの内臓機能を元に戻す
治療と共に、皮膚病個別操法を用い、両面からのアプローチを
行ないます。家庭療法としては食・息・動・想・眠(十分な睡眠等)
と頭部冷却の徹底を指導しています。

 ≪参考文献≫ 有本政治著: 『日本伝承医学の家庭療法』