筋萎縮性側索硬化症

【筋萎縮性側索硬化症】

筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis : ALS)は運動
神経細胞(運動ニューロン)が阻害され、身体中の筋肉が徐々に萎えて
動かなくなってしまう疾患になります。筋ジストロフィーは筋肉その
ものの疾患で筋肉が変性を起こすことで筋力が低下していきますが、
ALS
は脳から筋肉への司令が伝わらなくなることで発症していきます。
手足の筋力低下から始まり、喉や舌の筋力も低下していき、食べ物が
飲み込みにくくなる嚥下障害も生じてきます。呼吸筋の働きも阻害さ
れるため呼吸困難を引き起こす場合もあります。感覚神経系は正常に
機能するため、痛みや苦しさは感受できるので痛みや精神的不安から
睡眠の質が低下し睡眠障害も発症させます。

 運動神経系は、脳から脳幹、脊髄まで指令を送る上位神経細胞と、
脳幹、脊髄から筋肉へつながる下位神経細胞の二つがあります。ALS
神経細胞が二つとも阻害されてしまうので全身の筋肉が徐々に萎えて
いき力がはいらなくなってしまいます。原因は遺伝子異常、神経の
老化等の他、ワクチン接種後に発症する場合もありますが、因果関係
はわからず不治の病とされています。

 (参)神経細胞とは・・・神経細胞(ニューロン)は脳や脊髄等の神経系を
構成し、細胞体、神経突起、軸索の3つの部分に区別される形をもつ細胞に
なります。細胞体から伸びる突起を介して信号を伝達し、互いに通信し合い、
情報伝達を行なっています。人間の大脳には数百憶個もの神経細胞があり
それぞれの細胞には数万個のシナプス(ニューロンとニューロンの接合部)
が存在しています。これらの細胞は複雑なネットワークを構成し、ほとん
どが未だ解明されていない分野になります。

 一度阻害された運動神経細胞は元には戻らないためALSは不治の病
とされていますが、神経には可塑性(かそせい)という性質があり、
一部分が遮断されても、変性して違う形で再生、修復することがで
きます。神経可塑性はシナプスの信号伝達能力が、刺激(活動電位)
により変性、適応することで起こります。つまり運動神経系の一部
が遮断されても、神経可塑性が働けば修復可能と言うことになります。

【日本伝承医学からの考察】

日本伝承医学では神経系は枝葉であり幹は骨にあると考えています。
骨の特性である圧電作用と骨伝導を用い、骨に圧や振動(ゆり・ふり・
たたきのヒビキ)を与えることで微弱な電気を発生させ骨髄機能を
発現させていきます。骨幹である骨伝導系に発生した電気は、神経
系に伝播し、活動電位により神経可塑性を促すことができます。

 日本伝承医学の技術は骨伝導系に主体をおき構築されています。

適応症・・・筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン病
      ギランバレー症候群・筋無力症・神経難病
      筋痛性脳脊髄炎(慢性疲労症候群)

〈参考文献〉有本政治著

 『骨伝導系が作動すると人体に何が起きるか』
 
日本伝承医学の技法は骨の物理的法則を用いる
 『日本伝承医学の技法は骨に気(電気・磁気)を通す治療法』
 
『日本伝承医学はなぜ骨を重要と考えるのか