日本伝承医学の技法は骨に気(電気・磁気)を通す治療法
                   2022.10.12.有本政治
【 骨の特性を応用した治療法 】

 骨のもつ特性である圧電と骨伝導を応用したのが、日本伝承医学の
技術になります。日本伝承医学の基本技法には「三指半操法」「リモ
コン操法」「心臓調整法」という技術があります。日本伝承医学の治
療は、この三つのシンプルな技法で完了します。これを可能にするの
が、骨のもつ圧電作用と骨伝導になります。骨に圧やヒビキ(ゆり・
ふり・たたき)を与えることで、骨のもつ圧電現象(ピエゾ効果)と骨
伝導が起動し全身に波及するのです。つまり生命活動の中心である骨
に電気や磁気を流すことを目的に日本伝承医学の技術は構築されてい
ます。まさに「骨に気を通す」治療技術になります。                   

骨に電気や磁気を通せば、生命の仕組みの三態(物質・エネルギー・
情報)全ての機能を発現することができます。これにより低下した
生命力や免疫力をよみがえらせ、病気を治癒に導くことができます。
この原理を応用することにより、技術を骨に一元化できたのです。 
故に日本伝承医学の技術はシンプルながら大きな治療効果をもたらす
のです。

【 最先端の医学の治療法としての遺伝子治療 】

 今、医学界は遺伝子工学に目が向いています。その中より誕生した
ものに遺伝子治療というものがあります。遺伝子治療とは、人工的に
作り出した正常遺伝子を骨の中の骨髄造血幹細胞に移植する方法です。
以前は不治の病と考えられていた遺伝子病も、正常遺伝子を体内に
投与することによって治療ができる時代になりました。1回の移植で
永久的に悪い遺伝子の生産が中止され、正常な遺伝子が作られると
いう治療法です。近い将来、必ずやがん治療の最前線に出てくるもの
と思われます。日本の古代人は、この事実を既に骨の中に見出して
いて、世界で唯一骨髄機能を発現できる治療法を開発していたのです。
これは荒唐無稽なことではなく、まさに現代の「遺伝子治療」を既に
行なっていたと言えます。

 【 遺伝子治療を担う場所は骨髄にある 】

 もうひとつ遺伝子治療で注目しなければいけないのが、遺伝子の移
植先です。重要なのは骨髄の中にある造血幹細胞(ぞうけつかんさい
ぼう)です。この骨髄の中の幹細胞は特殊な細胞で、他の細胞は死滅
しても幹細胞は生き続けます。幹細胞のもつ情報の元さえあれば、
いつでも新しいものを同じように作り出せます。これは遺伝子の総元
締めともいうべき存在です。骨に電気や磁気を通すことで、この幹細
胞の働きを高めることができるのです。

【 骨髄の中の幹細胞は生命情報の源となる 】

 この幹細胞は生命情報の源(みなもと)と言えます。漢方的にいうな
らば「先天の気」というものです。日本伝承医学の治療法は、この生
命情報の源ともいうべき「先天の気」に影響を与えることのできる技
術になります。また、幹細胞の中の造血幹細胞は血液を作り出す細胞
なので、骨に電気や磁気を通すことで血液を増やす効果をもっています。
血液とはすべての生理活動の媒体であり、「血は生命」といっても
よい存在です。日本伝承医学の治療法はこの血の総元締めを発動させ
る技術でもあったのです。事実、骨髄において血液(赤血球・白血球・
血小板)は作られており、骨髄幹細胞にスイッチを入れることで、
造血は行なわれるのです。

【 既に実証されている原理 】

 これを実証する例として骨の作用を応用して骨折治療において、骨
に電気を流すことで破骨細胞と骨芽細胞の二つの機能を促進し、骨折
の治癒が著しく早まるという実験結果が報告されています。これは
外部から電極を骨に装着し、電流を流す方法です。これに加える電気
量は極めて微弱なものです。しかし、これと同じことが実は骨に圧を
かけることで生起されることが実証されています。骨に圧力が加わる
側にプラスの、引っ張る力のかかる方にマイナスの電荷が流れること
がわかっています(ピエゾ電流)。これにより、骨の中を電気が流れる
だけでなく、全身の上下において「気」の循環が生起されるのです。
正に東洋医学の「気血」の循環が骨を介して達成されるのです。

 【 人体内の電気や磁気は超微細なレベルに反応するように作られている 】

 骨に圧をかけて発生するピエゾ電流の電気量はわずかなものです。
しかし、この微弱な電流によって骨はその機能を発現できるのです。
これは電気のエネルギー作用というよりは「情報」といってもよいで
しょう。情報なのですから何百ボルトという高い電圧をかける必要は
ないのです。これは磁気についても同様のことがいえます。何千ガウ
スという高い磁気力は人体に対して有害なのです。エネルギーとして
よりも、むしろ情報として作用するレベルの磁気力がかえって有効に
なるのです。

 そもそも生物は自然界において高電界、高磁界の中で生息している
わけではありません。何億年と続くある一定の電界、磁界の中で、
それを天の気、地の気として受け、生存してきました。電界の強さと
してはせいぜい500V、磁界の強さは0.30.5ガウス程度です。これは
極めて弱いレベルの電気、磁気です。これに協調するように人体機能
は作られています。故に人体がもともと備えている「自己発電システ
ム」を作動させて発生する電気、磁気力が、一番有効に作用するよう
に生命体は作られているのです。その電気と磁気の発生場所が人体の
骨なのです。

【 大きな可能性を秘めた技術 】

人体の骨に電気と磁気を発生させて骨に電気や磁気を通していく
日本伝承医学の技術は、計り知れない可能性を秘めています。私は、
日本伝承医学の技術を現代の遺伝子治療とみています。これは長い
臨床の中で血液検査のデータを集積分析して、客観的な事実として
証明しています(治療前と後の血液検査のデータを比較)

特に、赤血球・白血球・血小板は一回の治療で正常値に導くだけの
効果を発揮しています。つまり日本伝承医学とは、「骨に気(電気・
磁気)を通すことで、骨髄機能を発現させ、骨髄幹細胞の遺伝子に働
きかけ、細胞新生と造血を生起させることで、命を蘇生させることの
できる医学」であるのです。まさに古代人は骨に「神」を見出して
いたとしか思えません。「骨」への高い洞察と見識は驚嘆すべき内容
を含んでいました。日本伝承医学の技術は、世界に例を見ない高次元
な治療技術といえます。