骨伝導系が作動すると人体に何が起きるか 2022.11.3.有本政治

 

人体内のエネルギーや情報の伝達系はこれまで「神経系」と考えられ
てきました。しかし体の伝達系は神経系だけではありません。物事には
骨幹となるものが必ず存在するように、人体の伝達系の主体となるもの
は実は「骨伝導系」だったのです。人体の中心に存在する人体中最大の
組織である骨組織が、伝達系の中心的役割を担っていたのです。私たち
が骨に抱くイメージは乾いた人体模型であり単なる体の支えのイメージ
しかありませんでした。これが骨の真の役割を見えにくくしてしまった
のです。

人体内の骨は樹液とエネルギーで満たされた樹木と同じようなものに
なります。樹木の幹の姿は人体の骨組織にも当てはまります。樹木は
太い幹から枝分かれしていきます。そして枝分かれした小枝からたくさ
んの葉をつけて日光を浴び、光からエネルギーを受けて養分を作り生命
を保ちます。人間の体も同様に、骨幹となる骨伝導系がまず幹となり、
枝葉にあたる中枢神経系と抹消神経系の二つの神経系に分かれていきま
す。末梢神経系はさらに運動神経、感覚神経、自律神経に枝分かれして
いきます。運動神経は筋肉に指令を出す神経なので骨伝導により筋肉に
もエネルギー、情報が伝播され筋肉の異常収縮やコリを除去できます。
自律神経は内臓を支配する神経群なので、この機能が骨伝導によって
促進されることで内臓の働きも高めることができます。

このように骨伝導を作動し骨髄機能を発現させることで、損傷、遮断
され
た神経系を修復、蘇生することができるのです。伝達系の骨幹に
あたる骨伝導系を作動することを目的とした日本伝承医学の治療は、
神経系、筋肉系、循環系(血液・リンパ液・体液の循環)の全ての乱れ
に作用し総合的な治療を可能にします。日本の古代人はその鋭い感性と
洞察力で骨の特性を見抜き骨髄機能を発現させる技法を開発していたの
です。