続膝疾患〜変形性膝関節症を捉え直す。 2015.10.27 有本政治

<膝疾患の原因は、膝関節のねじれと血液の質の低下と毛細血管の詰まりにある>

この表題に関しては、前号の「サッカーのゴン中山選手と野球の清原選手、松井選
手の膝痛は何故良くならなかったのか」において詳細に解説してありますが、再度以
下簡潔に述べてみます。

体の上体に起こった姿勢のねじれが、下肢に及び、下肢の中間に位置する膝関節
にねじれが生起され、この状態での膝の過度の使用や外部からの応力より、膝に炎
症、靭帯損傷及び断裂、半月板損傷、腱損傷及び断裂等が発生します。これが膝疾
患の根本的な原因となっています。
もう一つの原因は、内臓の胆嚢から分泌されて、苦く熱を冷ます作用のある胆汁の
分泌不足により、血液が熱を帯び、熱変性によって赤血球の連鎖が生じることから
発症していきます。これにより、血液の質が低下し、また毛細血管の詰まりが熱を発
生させ膝関節に偽痛風性の関節炎を誘引し、関節に熱と腫れ疼痛、筋肉の萎えを
もたらします。この状態での血液検査では、尿酸や他の結晶性の物質の異常値は見
つからない場合がほとんどです。そのため血液の質の低下に気づかず、整形外科的
な処置やリハビリ、筋力トレーニング等に終始する事になってしまいます。
この認識不足が回復を遅らせてしまいます。この二つが、慢性の膝関節炎の真の原因
であります。


<変形性膝関節症とはどいう症状か>

変形性膝関節症とは、筋力低下、加齢、肥満などのきっかけにより膝関節の機能が
低下して、膝軟骨や半月板のかみ合わせが緩んだり、変形や断裂を起こし、多くが
炎症による関節液の過剰滞留(膝に水が溜まる状態)が起こり、痛みと運動障害が出
る病気になります。しゃがんだり、正座ができず、特に階段を降りる時に体を支える事
ができなくなります。

主たる原因は、膝関節の骨の変形や膝関節のクッションの役目を果たす膝軟骨や
半月板が、すり減ったり、変形する事で起こると、現代医学では考えられています。
治療法は、保存療法と手術になります。保存療法は、薬物投与、運動療法、リハビリ
装具装着等があります。代表的なものでは、鎮痛剤、炎症止め薬、ヒアルロン酸注入
等になりますが、どれも対症療法の域を出ず、慢性化してしまう場合がほとんどです。
また注射器具で膝の溜まった水を抜く療法を行ないますが、水はまたすぐたまり、繰り
返す事になります(水は内部に起こる炎症を冷やすために、ためています。だから抜
いても抜いてもまたたまっていくのです。

手術法は、関節鏡による小規模のものから、人工関節に置き換える大規模のもの
まであります。しかし手術当初は改善がみられても、時間と共に悪化するケースが多
いのが現状です。


<局所治療と対症療法には限界がある。膝の力は、重力に抗する力=生命力のバ
 ロメーターで、膝痛は生命力の衰えの象徴となる>

変形性膝関節症の原因を筋力低下、加齢、肥満としていますが、これらは一般論に
なります。歳をとれば筋力が衰えるのは極めて当たり前であり、これが原因ならば、
高齢者はほとんどが膝痛になる事になります。肥満が膝痛の原因ならば、相撲の力
士全員膝痛になっているはずです。その証拠に、筋力強化や減量を行なっても、多少
の効果はあるものの、痛みの除去にはつながりません。つまり原因はもっと根底にあ
るということになります。

膝は人体中で最も複雑な関節とされています。複雑と言う事は、重要な役割を果たす
が故の事です。と言う事は膝の機能は簡単に壊れてしまっては困るのです。最後まで
守り抜くように完璧な対応手段が講じられている関節という事が言えます。故に筋力低
下や加齢、肥満で壊れる関節ではないのです。この膝関節に変形が起こるということは
もっと高次な観点からの捉え方が求められます。膝に痛みが起こるのは、内臓を含
めた全身的な関わりの中から、発生しているということです。故に局所の処置だけでは
限界があるのは当然と言わねばなりません。

人体には多くの関節がありますが、膝関節はその中において重要な役割を果たす関
節になります。それはしゃがんだり立ったりと言う、重力線上に対して大きな動きを行な
う関節だからです。これは何を意味するかと言いますと、自分の全体重を重力に抗し
てもち上げたり、支えたりする事に一番関わる関節と言う事です。つまり横たわったり、
しゃがんだり、座ったりした姿勢から立ち上がる時に、一番負荷がかかる関節になります。

自分の体重をもち上げる関節力がないと、人は立ち上がる事ができません。つまり重
力に抗する力が膝関節に求められるということです。立ち上がれなくなるいという事は、
寝たきりの状態を意味します。移動が人の手を借りないとできない事になります。
動物界と自然界において、起き上がれない事は、動けない事を意味します。動け
ない事は食べ物をとる事ができず、他の動物に襲われる事になります。つまり自然界
においては、立ち上がれないことは死を意味するのです。

この観点から言えば、膝関節が重力に抗して起き上がる力は、生き抜く力というもの
に置き換えられ、膝の力が衰えて立ち上がる事ができなくなるという事は、生命力の衰
えを意味するのです。つまり膝の力は、生命力のバロメーターと言えます。外傷的な
要因が無くて、膝に疾患が発症する場合は、如何なる種類の膝痛であっても、その人
自身の生命力の低下が根底に潜んでいるという認識が必要です。
特に50歳代以上の膝痛は単なる一関節の痛みでは無く、自身の生命力の衰えが背
景にある事で、膝に弱りが出て、変形性膝関節症を発症した事実を認識していかなけれ
ばなりません。膝に衰えがでた証拠なのです。故に変形性膝関節症の治療は、全体的な
治療と局所的な治療の両面からのアプローチ無くして治癒は望めません。整形外科的
な治療だけでは限界があると言わねばなりません。


<変形性膝関節症と呼ばれるが、果たして変形は一方的に悪い事なのか?>

前項ですでに述べましたが、自然界や動物世界においては、膝に力が入らず、起き
上がれない、歩けない、移動できないという事は死を意味します。故に生命あるものは、
自力での移動を最後まで守り抜く必要があります。そのために、立ち上がって歩くとい
う動作は何としても守らなければなりません。簡単に歩けなくなるようでは、弱肉強食の
世界では生き抜けないからです。その意味からすれば、膝の機能は老衰で死を迎える
まで完璧に機能し、修復する手段と対応を完璧に備えていると言えます。

日本伝承医学の病気や症状の捉え方は、病気や症状を一方的に悪い反応として捉
えず、何かを元に戻したり、何かの機能を守ったり、ひいては、命を守るために必要な
対応として一時的に発現させていると考えています。視点を換えて捉え直していくと
病の本質が見えてくるのです。本質がわかれば対処の方法も正しく示す事が可能にな
ります。

これまで関節の変形は、必要な対応であるいう考え方は皆無です。しかし生きている体
が起こす反応に意味のない事は無いのです。変形が悪い事なら、歩けなくして命を早
く縮めるように働く事になります。太古から生き抜いてきた人類が無駄な事、意味の
ない事、命を縮める方向に体を作用させる事はあり得ません。この観点に立てば、関
節の変形にも大きな意味があるということがわかってきます。変形させる事で、何かを
守り、歩行を最後まで守り抜くように対応しているのです。


<関節内の全ての変形は熱変性から生じる。これを防ぐには何が必要か>

病気には様々な症状が現れますが、その共通項は必ず炎症を伴っているという事です。
極論すれば、病気とは炎症と言ってもよいと思います。炎症は当然熱を発生させ、こ
の熱によって熱変性が起こり、熱変性によって全ての変形はもたらされます。膝関節
においても同様です。故に全体重を支え、常に大きな負荷がかかり、人体中一番大き
くて複雑な関節となる膝関節は、熱を発生させないように、完璧な熱を冷まし除去する
手段が講じられているのです。

熱発生の要因は、物体同士が長時間摩擦される事で発生します。この摩擦熱の発生
を防ぎ、発生した熱を素早く吸収したり、循環させるためには、摩擦面に干渉物を装着
したり、液体の潤滑油を摩擦面や関節内に注入する事が最善策になります。
正に膝関節には、関節の摩擦面には軟骨を置き、干渉物として半月板を組み込ませ、
関節内には、滑液(関節液)を充満させています。そしてその滑液は常に循環するよう
になっています。これらの機構がないと膝関節にはすぐに熱が発生貯留し、関節に炎
症が生じ破壊されてしまいます。特に潤滑油としての関節液は、常に供給循環してい
ないと関節としての機能を失ってしまいます。ピストンエンジンのオイルが無くなるとす
ぐにオーバーヒートするのと同様になります。つまり、関節内の熱の発生を防ぐには、
関節液の供給循環が不可欠になるのです。この関節液の供給循環は最後まで守り抜
く必要があります。


<膝の関節液の供給循環を守る対応が変形の本質である。
 背景には膝のねじれが存在>

エンジンオイルの例え通り、関節液が膝関節内を循環供給しないと、膝関節は直ちに
オーバーヒートしてしまいます。膝が機能を失う事は、自然界では死を意味します。
だから移動のための歩行は最後の最後まで守り抜かねばなりません。そのためには、
関節液の循環供給を最後まで維持する必要があります。

膝に症状が出る背景には、必ず体幹部(上体)のねじれによる膝関節にねじれの歪み
が存在します。関節にねじれの歪みが起こると、屈伸動作において、過剰な摩擦を生む
個所が発生してしまいます。また関節液の循環供給と流れに異常が生じます。この状
態が続くと関節内に熱を蓄積する大きな要因となるのです。

人体のもつ異変に対する対応は完璧で、関節内の関節液は、関節内の熱の発生状
況に応じて、液の”粘度”を調整しています。通常異常な熱がない時は、粘性が高い
多少ネバネバした状態です。それは速く滑液(関節液)を循環させる必要がないから
です。反対に熱が蓄積されると、粘性を下げてサラサラ状態にして、滑液の循環を速
くする事で、熱を除去するように作用します。

また関節液は関節膜に覆われて囲まれて存在し、外に漏れないようにできています。
関節液の循環供給は膜の”透過性”によって出入が行なわれます。関節内に熱が発
生すると、関節液の粘性をサラサラにすると同時に、関節膜の透過性を粗くして関節液
の出入を速くして、熱を関節外にすてるように対応します。このように熱を回避する機
能を、体は万全に備えているのです(ヒアルロン酸の関節内への注入は、膜の目を詰
まらせ膜の透過性を消失させ、結果的に熱の貯留を高め益々慢性化させてしまいます)。

以上の対応でも熱をすてる事ができなくなった時、次なる対応として骨や軟骨、半月板
の形を変形させていくのです。変形させる事で、関節内の関節液の流れを早めたり、
変えたりする事で循環と供給を守っていきます。つまり熱による関節の破壊を守る対応
が変形の本質であったのです。つまりわざと変形させているのです。生きている体は、
ここまでしてでも、生き抜くための歩行手段を最後まで守るのです。


<何故膝に水が溜まるのか?水を抜くとどうなるか?>

生きている体が示す反応には全て意味があります。それは何かを元に戻すための必
要な対応になります。この観点を”水の貯留”に当てはめますと、その本質が見えてき
ます。水を溜めるのは、関節内の炎症(熱)を冷ますために水の温度を利用している
のです。通常の手段で熱がすてられなくなった場合の熱回避のための一つの手段で
あります。

わかりやすく例えれば、火傷(やけど)を負った時の”水ぶくれ”と同じ現象です。水ぶく
れは、火傷の炎症を冷ますために水を集めて、患部を冷却し、炎症を改善する必要
な対応になります。膝関節の水たまりも同じ原理で起きています。
関節内に関節液の貯留が起きると、膝は腫れ、痛みと運動制限が発生します。この
段階で、注射器具等で水を抜いてしまうと、一時的に内圧が除去するために痛みと運
動制限が改善されますが、関節内の炎症が治まらなくなります。冷やす水がなくなって
しまったからです。当然体は炎症を鎮めるために、直ちに水を貯留させる準備をします。
だから水を抜いてもまたすぐに水が溜まってしまうのです。

一時的に楽になるために、この水抜きを繰り返してしまうと、体は次なる対応を迫られ
ていきます。それが関節の変形を助長してしまうことになるのです。熱の蓄積を冷ます
手段を失った関節は、関節液の循環を速くする事で、熱を回避する対応を促進させて
いくのです。軟骨や半月板の変形だけでは対応できなくなった場合は、骨自体の形を
変える事で関節液の循環を守る事になります。このように症状を封じ込める手段を繰
り返せば、繰り返すほど、次なる対応を迫られ、症状は益々重篤化していくのです。


<変形個所を削ったり、除去する手術をするとどうなるか?>

関節内の熱を回避するための対応として発生させている変形を、悪い反応として骨や
軟骨、半月板等を削ったり、除去した場合は、一時的に関節の運動制限が無くなり治
ったかのように思われますが、これは一時的な処置に過ぎません。前述したように、
関節液の循環供給を守るためには変形させたものを、手術で形を変えたり、除去した
りすると、関節液が停滞を起こし、熱の蓄積を生み、熱の蓄積を回避する次なる対応
を迫られるのです。次なる対応とは、益々変形を助長する事になるのです。さらに熱を
冷ますために、水の貯留を再発させ、運動制限も益々起きてきます。


<人口関節への転換手術は何を引き起こすか>

人口関節への置換手術を受けた場合は、確かに膝の痛みからは一時的に解放されます。
もちろんこの手術が必要な場合もある事は否定しません。しかし膝の
変形が何故発生したのか、その根拠と機序を正しく認識していかなければ根本的解決
にはならないのです。その認識に基づいて人口関節へ置換手術の選択をすべきだと感じ
ています。

冒頭で解説しましたように、全ての膝疾患の背景には、体幹部のねじれによる膝関節
のねじれの歪みと、血液の質の低下と毛細血管の詰まりが挙げられます。また膝で
体重を支える力は、自身の生命力と深く関わり、症状の如何を問わず膝疾患になる事
は生命力の低下を表しています。膝疾患をこのように認識し、生活習慣の見直しを含め
低下した生命力や免疫力を高める処置が必要なのです。

膝のねじれの発生は、膝単独の問題ではなく、体幹部のねじれと全身の片側を使っ
た内臓の絞り込み体勢から起こっています。体幹部にねじれと絞り込みが起こるのは、
これも何かの働きを元に戻したり、内臓の機能を維持するために必要な対応として発
生しています。それを以下に簡単に説明していきます。

右膝のねじれの場合は、右の脇腹に位置する胆嚢を全身を使って絞り込み、胆嚢の
収縮を助け、胆汁の分泌を維持しようとする対応から起こります。左膝の場合は、心
臓の拍動収縮を助けるために、全身を使って心臓を絞り込む体勢をとる事から起こり
ます(詳細は、日本伝承医学HP、院長の日記の肩の痛み、及びスポーツ選手の故
障の項を参照)。このように左右の膝に起こる関節のねじれは、胆嚢(肝臓も含む)と
心臓の機能を維持するために、左右の半身を絞り込む事で胆汁の分泌と血液の循環
を守る必要から発生しています。

半身を絞り込むという事は、当然筋肉を収縮させる事で達成されます。特に下半身の
人体中最大の筋肉である大腿二頭筋、大腿部の側面にある大腿筋膜張筋の収縮を
必要とします。また最深部に位置する腰椎と股関節に付着する大腰筋の収縮が起こり
ます。これによって起こるねじれの応力を、下肢の中間に位置する膝をねじることで、
緩衝する働きが膝関節にはあるのです。

このような背景を考慮せず、膝関節を人口関節に置換してしまうと、体に生じたねじれ
の応力を緩衝する事ができなくなります。人口関節には、ねじれに対する”遊び”の部
分が設計されていないからです。この状態を補うためには体幹部に、より大きな歪み
を発生させる事になってしまうのです。

体幹部に大きなねじれが生じる事は、内部にある内臓に大きなねじれの応力が及ぶ
事になります。これは内臓の機能に影響を与え、機能低下をもたらすのです。物がね
じれる事は、内部に熱の蓄積を生み、血液、リンパ液、体液の循環にも停滞を生じさ
せます。これは確実に全ての生理機能を低下させます。特に肝心要の、肝臓(胆嚢を
含む)と心臓の働きを益々落とし、これを補うために胆嚢と心臓の絞り込みをさらに助
長させる結果になっていくのです。

この状態の持続は、すでに低下している生命力や免疫力をさらに落としていきます。
また肝心要の肝臓(胆嚢を含む)と心臓の働きが益々低下する事は、全身の血液の
循環、配分、質の乱れを生起し、重篤な病の発病へとつながっていくことにもなります。
免疫力が落ちるという事は、様々な感染症にも罹患しやすくなります。

人口関節への置換手術が全身に及ぼす影響を指摘しましたが、肝心の膝関節にお
いても今後どの位関節が機能するのか、副作用はどう出るのか等は時間の検証を
経ないとわからないのが実状です。人間は機械ではありません。部品を交換すれば
良くなる訳ではありません。私の見解を含めた多面的な考察研究が必要と考えます。


<変形性膝関節症の処置はどうあるべきか>

これまで詳細に膝の変形の起こる機序を解説してきました。一生涯歩行を守る必要
な対応として故意に変形させているのが本質です。故にこれを手術で骨や軟骨、半月
板を削ったり除去してはならないのです。これを行なうと変形を整形するどころか、益々
変形を作り出していくことになるのです。そして歩行を困難にしていきます。
変形はそのままにして、保存療法を行なう事が正しい選択になります。変形は元には
戻りませんが、歩行は最後まで守ります。日常生活に支障が出ない状態を維持する事
は十分に可能です。

関節内に発生した炎症と腫れ、関節液の貯留を除去する処置を行なうことで、痛みと
運動制限を緩和する事ができます。また膝関節への血液の循環、配分、質(赤血球の
連鎖)を改善する事で、膝の力が戻り、体重を支えられるようになります。
私の42年の臨床経験の中から言えることは、今回テーマの変形性膝関節症になる人
の大部分が、”偽通風性”の膝関節炎と併発させて発症しているという事です。
これは、血液検査において、尿酸値や結晶性の関節炎を引き起こす因子が見つから
ないために、見落とされてしまっているのです。血液検査で因子が見つからなくても、
血液の質の低下と赤血球の連鎖が発生する事で、偽通風と同様の炎症と腫れ、痛み、
筋力の低下が発現するのです。この血液の質の低下と赤血球の連鎖を改善させ
る治療が不可欠になります(詳細は日本伝承医学HP、院長の日記膝の項参照)。

そのためには、これまで解説してありますように、自身では気づいていなかった生命力
や免疫力の低下を高め、全身の血液の循環、配分、質の乱れを元に戻し、肝臓胆嚢
と心臓の機能を改善する事が不可欠になります。こうした根源にある問題を元に戻す
事と、膝関節自体に起こっている問題を両方とも改善する事が、必要になります。この
全体と部分の両面からのアプローチが変形性膝関節症においては不可欠になります。


<全体治療と膝関節自体の治療を同時に行なえる日本伝承医学の治療法>

日本伝承医学の治療法は、これまで解説してあります膝疾患の根拠と機序を改善
するのに最も有効な方法になります。骨髄機能を発現させる事で、低下した生命力と
免疫力を一気に高める事ができるからです。また全身の血液の循環、配分、質の低
下の大元になる肝臓胆嚢と心臓の機能を高める事を目的に技術が構築されており、
合理的に作用させる事ができます。さらに骨に精通した古代人が開発した血液の質を
高め、赤血球の連鎖をとる大腿骨の叩打法を用います。体全体に発生したねじれの
歪みをとるために、日本伝承医学の基本操法となる踵を落とし、人体に電気を発生さ
せる三指半(さんしはん)操法のヒビキ操法がねじれを瞬時に改善させます。

膝そのものに関しては、古代人の開発した膝のねじれをとる操法と骨のヒビキ操法を
用いて対応します。また家庭療法として推奨する頭と肝臓の氷冷却法が全身の血液
の循環、配分、質を向上させます。膝関節自体の熱と腫れ、毛細血管の流れの停滞
と詰まりを除去するために患部の氷冷却法も有効になります。当院の膝疾患の患者
さんは、24時間体制で冷却にとり組み大きな成果を上げています。長時間冷却しても
副作用はありません。以上の総合的なとり組みにより、変形性膝関節症に対応してい
ます。
≪参考文献≫

日本伝承医学の膝の治療

膝疾患の冷却について

膝の痛みと違和感〜ヒアルロン酸注射が良くない理由

「サッカーのゴン中山選手の膝痛は何故良くならなかったのか