サッカーのゴン中山選手、野球の清原選手、松井選手の膝痛は
何故良くならなかったのか。  2015.10.17 有本政治

<膝痛が引退に追い込んだ>

中山雅史選手、清原和博選手、松井秀喜選手は三人とも、日本のサッカー界と
野球界を代表する名選手になります。この三人に共通するのは、いずれも膝痛
が現役引退に追い込んだという点です。三人とも膝を傷め、手術を繰り返し、リ
ハビリと治療を必死に努力したにも関わらず、膝は良くなりませんでした。良くなら
なかった要因は、若い時代と違い、加齢によるもの、長年の蓄積によるものがあ
る事は否めません。しかしそれだけではなく、根本的な原因を捉えきれていなかっ
た点にあります。同じ様な状況は、今後も繰り返されます。同じ悲劇を繰り返さない
ためにも膝痛に対しての幅広いアプローチが必要と考えます。


<膝痛は起こるべくして起きている>

私は今年で臨床42年を迎えています。この間スポーツトレーナーとして、多くの運
動選手を診てまいりました。この経験を通して気づいた事は、怪我や故障は、起
こるべくして起きているという点です。怪我という文字が、我を怪しむと書く様に
スポーツ障害全般において、不可抗力によるものは2割、後の8割はその人の弱
い所に起こるべくして発生しています。
昔からの格言に、”火のないところに煙は立たぬ”と表現します。体の接触プレー
があり、格闘技的な要素のある種類のスポーツにおいては、不可抗力による怪我
や故障は起き得ます。しかしこれらを除いたものの怪我や故障は、根本的な要因
があり、起こるべくして発生するのです。つまり、火の元(炎症)となるものがあら
かじめ存在しているということです。これに引き金となるものが生じ発症していきます。


<慢性の膝痛は、何故良くならないのか>

通常の膝のスポーツ外傷なら、靭帯の補強手術、半月板の除去手術等を行ない
炎症が鎮まり、腫れをとり、リハビリを行なえば競技に復帰することができます。しか
し、中山選手、清原選手、松井選手らは、徹底的に上記の事をやり抜きましたが、
膝の痛み、違和感、膝の力は回復しませんでした。これは、膝痛の原因診断におい
て、何かを見落としていたと言わざるを得ないのです。この三選手に限らず、慢性で
治りにくく再発を繰り返す膝痛は、見落とされている原因が隠れているのです。それ
は以下になります。


<膝痛の真の原因は、膝関節のねじれと赤血球の連鎖にある>

治りにくい膝痛には隠された原因が潜んでいます。慢性の膝痛の背景には、自分
では気づかない体幹部のねじれから発症する膝関節のねじれと、血液の質の低下
=赤血球の連鎖(ドロドロでベタベタの血液状態)が存在します。
全体重がかかり、一番大きく曲げたり伸ばしたりする膝関節に、ねじれが起きてい
れば、筋肉、腱、靭帯、半月板に過度のストレスがかかります。この過度のねじれ
のストレスがかかった状態で、膝を酷使すれば、何らかの引き金により、筋肉を
傷めたり、靭帯を損傷、断裂したり、腱断裂、半月板損傷を起こしやすくなるの
は必然です。また様々な膝痛を発症します。本来、膝関節の靭帯や腱は強固に
できており、簡単に損傷したり、断裂したりはしません。一生動き続けられる構造に
なっています。それがわずかな応力で損傷断裂するという事は、事前に強いストレ
スにさらされ、弱った状態にきていたと考えられます。

物体の耐久テストにおいても、ねじれの応力は深部まで及び、組織に熱と強い張力
を起こす事が知られています。これが怪我や故障の隠された根本原因になります。
よく女子のバスケットボールの選手が、接触プレーではなく、急激なストップやターン
で、十字靭帯の断裂を起こしますが、靭帯は簡単に切れるものではありません。自分
では気づかないうちに上記の機序が膝に働き、靭帯が極限状態にきていたのです。

このように膝関節の怪我や故障は、体幹部のねじれにより膝に発生したねじれが
最大の因子として存在しています。故にこの事に気づかないで、治療、リハビリを行
なっても、再発を繰り返してしまう事になります。また靭帯の手術や半月板の除去手
術等を行なっても、膝のねじれが改善するわけではありません。

次に赤血球の連鎖について述べていきます。赤血球は連鎖すると、形がいびつに
なり、本来の赤血球の働きを失ってしまいます。これは血液の質を落とし、組織を養
えないばかりか、膝関節内の毛細血管の流れに停滞と詰まりを生起します。毛細血
管の停滞と詰まりは熱を発生させ(炎症を起こす)、血液の質の低下と相まって、
膝関節に”偽痛風”性の関節炎を発症させます。この状態は、血液検査をしても、
尿酸値やピロリン酸カルシウムの異常値が出ないために、痛風、リウマチ、偽痛風
偽リウマチの診断がつかないのです。そのために、整形外科的な処置に終始する
ことになり、血液の質の低下を見落としていくことになります。以上の二つの要因が、
膝関節の疾患の隠れた真の原因になります。


<膝痛発生の背景にある膝関節のねじれについて>

日本伝承医学の考える膝痛発生の要因の一つに挙げられるのが、体幹部(上体)のね
じれによって膝関節に起こる関節のねじれになります。関節のねじれとは、膝関節の大
腿骨に対して、下腿骨が外旋位(過度になると膝が”くの字”を呈してくる)になる事です。
正常な膝関節においては、最大屈曲(正座位)と最大伸展は何の違和感も無くスム
ーズに行なえます。特に膝関節の内部に組み込まれた、半月板の動きも屈曲伸展
では、関節内部において”出入”の動きが正常に作動します。また組み込まれた各種
靭帯にも、過度の張力はかかっていません。さらに膝関節を動かす筋肉や腱にも異
常な収縮は起きていません。

下腿骨に外旋のねじれが起きた膝関節は、上記した筋肉、腱、靭帯、半月板の連動
した動きに制限が加えられる事になります。ねじれの小さい段階では痛みや違和感
は強く感じませんが、屈伸動作において関節がポキポキ鳴る音がしたり、何かしら
筋肉のつれる感じは発生します。ねじれの程度や筋肉の異常収縮に応じて、筋肉
や腱の痛みや違和感は増していきます。特に2つ組み込まれている半月板の微細
な出入の動きは、片側が引っかかる様な動きを余儀無くされます。また内側の靭帯
や十字靭帯には、過度の張力が加わります。

膝の怪我や故障は、上記の関節のねじれ状態が存在する中で、急激なダッシュや
ターン、ストップ、また外的な応力が加わる事で発生していくのです。内側靭帯、十
字靭帯の損傷や断裂、半月板損傷、腱の断裂等が引き起こされるのです。
つまり膝痛発生の背景には、膝関節に起きているねじれが根本に存在し、起こる
べくして起きているのです(詳細は、日本伝承医学HP、人体バナナ理論、院長の
日記の運動器疾患特集参照)。


<膝関節のねじれはどうして発生するのか>

それでは何故膝にねじれが起こるのでしょうか。これを考察するためには、膝単独
で考えてもその答えは出ません。体全体との関連の中から発生しているからです。
それは上半身にねじれが起こり、このねじれが下半身に影響し、股関節、膝関節、
足関節の全てにねじれの応力(筋肉の緊張、ひきつり)が加わる事で起きています。
その中でも、中間に位置する膝関節に、ねじれの応力が一番かかります。故に膝関
節にねじれが発生しやすくなるのです。


<上半身のねじれと絞り込みは何故起こるのか、
  右ねじれと左ねじれでは要因が異なる>

上半身に起こるねじれと絞り込みを考察するためには、筋肉や関節、靭帯、腱といっ
た運動器からの考察だけではその答えは導かれません。これは内臓機能が関わる
事で発生しているからです。内臓の機能を維持するため、ひいては生命を維持する
上で、必要な対応として、上体のねじれと絞り込みが起きているのです。

その内臓とは、体の右側にある肝臓胆嚢と、やや左に位置する心臓になります。
肝臓胆嚢と心臓は、”肝心要”(かんじんかなめ)の言葉通り、生命を維持する上で
主要な臓器になります。故にこれらの臓器の働きは低下させてはならないのです。
体は様々な対応をとり、肝心要を守ろうと働きます。その中で胆嚢と心臓は、いず
れも本体が収縮する事で、胆汁と血液を送り出す構造になっています。この胆汁の
分泌と血液の噴出を守るために、胆嚢と心臓をねじり、絞り込む様な体勢を、体は
余儀なくされるのです。

胆嚢を絞り込むためには、上体を左にねじり、右肩を前下方に巻き込み、右脇腹を
絞り込む体勢をとります。心臓を絞り込むためには、上体を右にねじり、胸部を突き
出し、左肩を前下方に巻き込み、左脇腹を絞り込む体勢をとることになります(胆嚢の
重要性と心臓の右スピン形状については、日本伝承医学HP 院長の日記、肩の痛
みについての項参照)。


<胆嚢の絞り込みから起こる、右膝のねじれの機序>

姿勢の歪みで、よく見かけるのが左右の肩の高さに明らかに差がある姿勢です。
右肩が大きく下がって前方に巻き込む場合と、左肩が下がっている場合の二種類で
す。この姿勢のアンバランスは上記の胆嚢と心臓の絞り込みにより肩の高さが
正常位置より下がる事で起きています。
体の右脇腹に位置する胆嚢を絞り込むためには、体の右側面全体を縮める事と、
上体を左にねじり、右肩を前下方に巻き込む体勢を余儀なくされます。また右骨盤
を縮め、下肢の側面も縮められます。

これらは全て、筋肉の収縮で起こることになります。膝にねじれをもたらすのは、
下肢側面の大腿筋膜張筋と大腿部の裏側にある大腿二頭筋になります。この二つ
の大きな筋肉は、いずれも下腿側面に位置する腓骨に付着しています。この二つ
の筋肉の収縮が膝にねじれを生起させるのです。特に大腿二頭筋の大きな筋肉が
腓骨小頭の裏側に付着しています。膝を屈曲するために最大に働く筋肉で、強い収
縮力をもっています。この異常な収縮が膝関節にねじれ(外旋)を引き起こしている
のです(詳細は、日本伝承医学HP 院長の日記、Jリーガー中村俊輔の胆嚢炎と
右大腿二頭筋の肉離れの関連の項参照)。


<心臓の絞り込みから起こる、左膝のねじれの機序>

心臓は、逆円錐形でハート型をしています。そして心臓は上から見て右にスピンした
ひとひねりした形状になります。心臓のポンプの噴出力を補い強化するためには、
心臓の右スピンをより助けるために、上体を右にねじり、上部胸椎の3、4、5番を
前方に突出させる事で心臓の収縮力を高める体勢をとります。さらに胆嚢と同様に、
左半身を縮める事で心臓を絞り込む体勢を余儀なくされます。これは胆嚢と同様に、
左の大腿筋膜張筋と大腿二頭筋を収縮させ、左膝にねじれを生起させるのです。
(詳細は、HP 錦織圭の左ふくらはぎ痛と臀部痛についての項参照)。


<膝のねじれの機序が解明されれば、対処の方法は自ずと見えてくる>

以上が、膝にねじれが発生する機序になります。このように、内臓の機能低下に
よって膝のねじれは起こっています。膝のねじれを根本的にとるためには、右膝の場
合は、胆嚢の熱(炎症)と腫れを除去し、胆嚢が正常に収縮できるようにする事です。
これが達成されれば、胆嚢を絞り込む体勢をとらなくてもよくなり、右膝のねじれは
改善できます。左膝の場合は、心臓の機能低下を元に戻す事で、体の右ねじれと
胸椎突出、さらに心臓の絞り込みを回避でき、左膝のねじれは改善できます。

右膝のねじれの原因となる胆嚢は単独で機能低下をしているわけではなくて、肝臓
との関係の中で起きています。肝胆相照らす(かんたんあいてらす)という言葉通り、
肝臓と胆嚢は表裏一体(ひょうりいったい)の関係にあります。肝臓と胆嚢は一体と
考えて対処する必要があるのです。
肝臓(胆嚢を含む)と心臓は、体の中においては、”肝心要”と言われるように、
全身の血液の循環、配分、質(赤血球の連鎖=ドロドロでベタベタの血液)に関与
する重要な臓器になります。この二大重要臓器の機能を守る対応として、体の左右
ねじれと、肝臓心臓の臓器の絞り込みが起きるのです。生命維持のための対応が、
なされるのです。
このように、膝の痛みを根本的にとるためには、局所的な膝だけを対象とした整
形外科的な処置だけでは、痛みを除去できないばかりか、すぐに再発を繰り返して
しまう事になるのです。

膝の痛みを根本的にとるためには、膝に起こっているねじれを除去する事が必要
です。そのためには、右膝の場合は肝臓と胆嚢の機能を元に戻し、左膝の場合は、
心臓の機能を高める処置が不可欠になります。ただ肝胆と心臓は、全身の血液の
循環、配分、質に関わる臓器ですから、治療においてはどちらか一方ではなく、肝臓
心臓の両方の機能を元に戻す処置を行ないます。
膝治療の二大必要条件の一つは、膝に起こっているねじれを元に戻す事になります。
そのためにこそ、上記した肝胆と心臓機能を高める治療が不可欠となるのです。


<血液検査に表れない血液の質の低下(赤血球の連鎖)が膝に炎症を発生させる。
 偽痛風性の関節炎が治りを妨げる最大の原因>

慢性の膝関節炎において、見落とされるのが、前述してありますように赤血球の
連鎖による血液の質の低下です。血液検査で尿酸値が高ければ痛風、炎症反応が
高ければリウマチと診断され、ピロリン酸カルシウムが高ければ結晶性の関節炎
(偽痛風や偽リウマチ)と診断がつきます。しかしこれらの診断が出ないケースが、
治りにくい慢性の膝関節炎にあたります。症状の出方が偽痛風に限りなく近いにも
関わらず、血液検査上診断がつかないのです。運動選手に限らず、治りにくい慢性
の膝関節炎や変形性膝関節症の人のほとんどの場合がこのケースに当てはまり
ます。故に整形外科的な処置を繰り返しても一向に改善していかないのです。


<血液の質の低下=赤血球の連鎖=ドロドロでベタベタの血液=赤血球の形の
 変形は何故起こるのか>

赤血球の連鎖は、血液の熱変性によって生起されます。血液が熱を帯びる最大の
要因は、胆嚢から出る苦い胆汁の分泌不足から引き起こされます。
胆汁は極めて苦い物質で、この苦味成分が血液の熱を冷まし、一定の温度に保つ
働きを担っています。漢方薬の世界では、”良薬口に苦し”と言われるように、苦
い成分が体の炎症を鎮め病気を回復に向かわせるのです。これを”苦寒薬”と表現
します。人体内においては、この苦寒薬の働き、つまり抗炎症作用の働きを、胆汁が
担ってくれているのです。故に胆汁を分泌する胆嚢は生命維持においてとても重要
な役割をもち、この胆嚢の機能は優先的に守られなくてはならないのです。これが
胆嚢を絞り込む事で胆汁の分泌を守る理由になります。この胆汁が分泌不足になっ
てしまうと、血液の熱を冷ます働きが低下して、血液に熱を帯びさせ、熱変性により
赤血球のくっ付きが生まれてしまうのです。これが赤血球連鎖の理由になります。

赤血球が熱をもち連鎖し、形がいびつになると、赤血球としての働きが低下するの
は必然です。これが血液の質の低下をもたらします。また赤血球の連鎖により、
肥大化した赤血球は全身の毛細血管の流れに停滞と詰まりを生起する事になりま
す。これは血液の循環を遅くするだけでなく、内圧の高まりから熱を発生させ、その
蓄積は組織に炎症を引き起こしていくのです。さらに停滞した血液には細菌も発生
しやすく、化膿性の疾患になってしまう可能性を高めます。

以上の状態の持続が、膝関節に起こる事で、”偽痛風性”の関節炎を引き起こした
のです。ただ血液検査の数値に異常が出る範囲には届かず、リウマチ、痛風、偽痛
風、偽リウマチの診断はつかないながら、症状は限りなく偽痛風に近い状態を呈す
るのです。この状態が膝に起こると、膝は常に嫌な熱感を帯び、腫れと疼痛が発生し、
筋肉は萎えていきます。膝の屈伸力は落ち、体重を支えるのもやっとの状態に陥る
事もあります。これでは競技に復帰できる状態に改善する事は不可能になります。

このように、血液検査で尿酸値やピロリン酸カルシウムの数値に異常がなくても、
赤血球の連鎖による、血液の質の低下と毛細血管の詰まりが、偽痛風に極めて近
い症状を出すのです。この捉え方が欠落しているが故に、慢性膝関節炎や変形性
膝関節炎の治りがよくならないのです。中山、清原、松井選手達の、膝関節炎がよ
くならなかった理由は、体幹部(上体)のねじれによって膝関節に起こったねじれと赤
血球の連鎖による血液の質の低下と熱の発生にあったのです。


<赤血球連鎖の原因となる胆汁の分泌不足は、何故起きるのか>

胆汁の分泌不足は、胆汁を生成する肝臓の機能低下による、胆汁自体の不足と、
胆汁を噴出する胆嚢の袋が腫れる事で、袋の収縮が制限され、胆汁が噴出できな
い事が直接的な要因です。胆嚢が腫れるのは、胆嚢に炎症が発生しているためで
す。胆嚢に炎症が起きると、充血、疼痛、発熱、腫脹が起こります。ただ臓器の炎
症は、臓器の機能を元に戻すための必要な対応になります。


<肝臓、胆嚢は何故機能低下するのか>

肝臓(胆嚢を含む)が弱るのは、世間ではよくお酒の飲み過ぎと言われますが、これ
は一因に過ぎません。肝臓機能が低下をする最大の要因は、精神的ストレスの持続
や強いプレッシャーにより引き起こされているのです。精神的ストレスの持続とプレッ
シャーは、常にその事を考え続け、脳を興奮状態に置きます。これは脳内の神経伝
達物質や脳内ホルモンを大量に消費する事になります。これらの物質のほとんどは
肝臓で作られ、脳で消費されて、また肝臓に還って分解されます。この状態の過度
の持続が次第に肝臓に負担をかけ、肝臓の機能低下をもたらしていくのです。肝臓
と表裏の関係にある胆嚢も同時に機能低下していきます。


<機能低下した肝臓や胆嚢を元に戻すために、臓器に熱や充血、腫れの
 対応が起きる>

重要な臓器である肝臓と胆嚢に機能低下が起きると、体はこれをいち早く元に戻す
対応を始めます。このために、肝臓と胆嚢に大量の血液を集め、熱を発生させる事
で、機能回復を図ります。これは一時的に肝臓、胆嚢が腫れる事を余儀なくします。
胆嚢が腫れて袋の収縮が制限されるので、胆汁の分泌が少なくなってしまうのです。


<もう一つの胆嚢に熱と腫れをもたらす要因となる、やる気旺盛気質(三人共に
 このタイプ)>

何事も、何かを極める人間は、自身の気力を奮い立たせる事ができる人達です。
中山、清原、松井三選手共、一流選手として一時代を築いた人達です。その努力と
自分を奮い立たせる気力が人に抜きん出たものがあったからこそ、一流に 到達
し得たのです。しかし、この自己”起励力”が強すぎると、無意識の内に自らの体
に負担をかけてしまう結果になります。

胆は”キモ”とも呼ばれ、根性ややる気と関わる臓器として位置づけられています。
「キモが座っている」「キモを冷やす」「キモが小さい」「キモに銘じる」等精神性に大き
く関わっています。若い時代は、この気力の持続は体に負担をかけないのですが、
30代に入ると、自らの体力の衰えを補う意味でも、気力をふり絞る事が増えてしま
うのです。これが知らず知らずの内に、胆嚢に熱を発生させる要因として作用して
いきます。熱が発生するという事は、胆嚢に腫れが生起され、胆汁の分泌を益々
低下させる事につながります。これは三選手に限らず、スポーツ選手には共通に起
こる現象になります。現役選手で代表的にはサッカーの中村俊輔選手、田中マルク
ス闘莉王選手、大久保嘉人選手等が挙げられます。彼らに言える共通体質は、
胆汁分泌不足の痛風、偽痛風になりやすい体質を先天的にもっているという事です。


<慢性の膝関節炎を回復に向かわせるためにはどうしたら良いか>

ここまで、治りにくい膝関節炎の隠された原因を詳細に解説してきました。その二大
原因となる体幹部(上体)のねじれによる膝のねじれと赤血球の連鎖からくる血液の
質の低下と毛細血管の詰まりの根拠と機序は以上の通りです。これを回復に向かわ
せるためにはどうしたら良いかは、その根拠と機序の中に示されています。
要約しますと、右膝の場合は、肝臓胆嚢の機能を元に戻す事が不可欠であり、左膝
の場合は、心臓の弱りを回復させる事が必要になるということです。これにより、膝の
ねじれと、赤血球の連鎖を断ち切る事が可能になります。そして膝のねじれをとる直
接的な技法も必要になります。


<日本伝承医学の治療が有効な理由>

上記の症状を回復に向かわせる上で、最も効率よく、合理的に作用させる事ができ
るのが日本伝承医学の治療法になります。
膝のねじれの元になっている体全体のねじれをとる方法として、日本伝承医学では
骨伝導と圧電効果を利用した手技を用います。それはかかとに振動を与える”三指半”
(さんしはん)操法というもので、この手技療法によって体のねじれを瞬時にとり去ります。
体のねじれをまずとり去り、膝関節の回復の主題になっている肝臓(胆嚢を含む)と
心臓の機能回復法を施します。これも骨伝導と圧電を用いた、肝臓胆嚢の腫れと熱を
とる大腿骨叩打法と3、4、5番胸椎と肋骨に圧をかける心臓調整法が有効に作用します。
さらに赤血球の連鎖を剥がす血液の質を変える叩打法で、リウマチや痛風、偽痛風に
大きな効果を発揮します。直接的な膝のねじれをとる技法も、大腿骨や脛骨、腓骨に
ヒビキを与える技法で対応します。

また日本伝承医学が家庭療法として推奨する肝臓と頭の氷冷却法を併用していくこ
とで、肝臓胆嚢の腫れと熱を速やかに除去していきます。血液の質の低下を元に戻
すためには、胆嚢の熱と腫れを改善する事は不可欠で、家庭で毎日胆嚢を冷却す
る事が大事です。当然内部に炎症を起こしている膝患部も冷却していきます。
以上が慢性の膝関節炎の根拠と機序に根ざした統合的な治療法になります。この
方法により、真の原因となっている膝のねじれと赤血球の連鎖による偽痛風性の腫
れと痛み、筋肉の萎縮を回復に導くことができます。