手指のリハビリ
 ~手指のこわばり、震えやしびれ、痛み、指関節の曲がり~
 手指のこわばり、震えやしびれ、痛み、指関節の曲がり等は
その部位だけをみるのではなく、根本要因となる内臓機能や精
神状態からみるようにします。「氷山の一角」という言葉があ
るように、物事は表に現われる部分だけを見るのではなく、そ
の背後に潜んでいる本体に目を向けていくと、隠れていた本質
が見えてきます。体に現われる症状も根底に潜む本体に目を向
けていくことで回復の方向性がみえてきます。
 まず手指に症状が現れたときは、血液の質が低下している(
ろどろでべたべたの状態)ということを覚えておきます。疲れや
ストレスで肝臓機能が低下すると内包されている胆のうが腫()
れて、胆汁(たんじゅう)の分泌が阻害されます。胆汁には血液
の熱を冷ます働きがあるので、胆汁が分泌不足になると血液が
熱を帯びてどろどろでべたべたの状態になってしまいます。血
液の質が低下すると血流が滞り、手指先末端まで血液をうまく
廻せなくなるのです。
 症状を改善するためには肝臓の炎症(胆のうの腫れ)を除去し、
血液の質を良くしていかなければなりません。サラサラの血液
になれば滞っていた血流が改善されて、こわばりや震え等が起
きにくくなります。
 
日本伝承医学の受診は、血液の質に低下がみられる場合は、
血液の再生周期に合わせて2週間に1度のペースで進めていきま
す。家庭療法としての肝臓(胆のう)と頭部冷却は必須となりま
す。肝臓はストレスを受けると瞬時に充血して機能低下します。
過労や心労を極力軽減するためにも床に就く時間を早めるよう
にします。疲れが蓄積すると症状は悪化してしまうので、週1
~2回でもいいので夜の10時には床に就く日を設けるように
します。水の摂取も大事です。水が足りないと代謝が悪くなり
血液の質が低下します。一日1.52リットルを目標とします。
【手指のリハビリ】
 手指のリハビリは「おはじき運動」が最も効果的です。おはじ
きをはじくように1本ずつの指で行ないます。親指と人差し指
、親指と中指、親指と薬指、親指と小指という具合に行ないま
す。湯舟につかっているときに水面を指ではじくようにすると、
水圧がかかるのでより効果的です。症状が出ている手だけでは
なく良い方の手も必ず行なうようにします。
 脳は左右に分かれていますが、両側は神経でつながって連動し
合って働いています。良い側を動かすことで、悪い側が刺激され
て学習します。健常側の正しい動き、力加減、リズムや感覚を
お手本として脳が覚えていくので、患側ばかりリハビリをして
いると脳が学習できません。
 脳には可塑性(かそせい)というものがあり、どのような症状
でも新たな経路を作り、働きやつながりを変えていく性質があ
ります。滞った機能、失われた機能でも、新たな回路を生み出
すことができるのです。日本伝承医学ではこの神経可塑性を促し、
家庭療法と併用して症状改善にとり組んでいきます。
≪参考文献≫
 『日本伝承医学の家庭療法』 著:有本政治
 「指の関節のこわばりやばね指はそうして起きるのか
 「上腕や手指のしびれと疼痛について