仙骨の重要性~脳脊髄液の環流

【脳脊髄液】

脳脊髄液は、脳と脊髄、硬膜の間に存在する液体で髄液とも言われて
います。血液、リンパ液と同じ体液のひとつで、脳の中心にある第三
脳室、側頭室で血液をろ過して作られます。第四脳室を通り脊髄(
髄・胸髄・腰髄)を伝わり仙骨迄運ばれていきます。そして仙骨の
うなずき運動によって脊髄を通り脳にまた戻っていきます。

脳脊髄液は脳や脊髄を衝撃や外力から守る役目の他、脳や神経に栄養
を運んだり不要な老廃物を除去したりする働きがあります。脳室の
脈絡叢で1日約450700ミリリットル産出され硬膜という容器内に
満たされています(硬膜とは脳と脊髄を包む外側の強い膜になります)
つまり脳は硬膜内の脳脊髄液という液体のクッションに浮いて守られ
ているのです。
脳脊髄液は少しずつ環流し、必要な成分を常に脳や
脊髄に送り続けています。

 【脳脊髄液の環流】

脳脊髄液の環流は、呼吸時の横隔膜の上下動に連動した仙骨のうなず
き運動によって行なわれます。仙骨の上に腰椎、胸椎、頚椎が積み
上げられている状態で、脳へ脳脊髄液を循環させています。脳脊髄
液が滞ると、血液、リンパ液も停滞し支障をきたしていきます。
自律神経にも乱れが生じるので様々な精神症状も発症させます。

【仙骨の重要性】

人間は精神的ショックや強い衝撃(恐怖不安、緊張の極み等)を受ける
と、一気に肝臓が充血し血液が肝臓に集まります。そうすると脳が
虚血になるため
(脳貧血状態)、命の危機にさらされます。これを回避
しようと脳内に急速に血液を集めるため、一気に脳圧をはね上げます。
そうすると脳脊髄液に高い圧力がかかります。脳が圧迫され
(脳圧上
)、精神不安、頭痛、めまい、けいれん、嘔吐等の症状が起きます。
脳内の圧迫により脳脊髄液が環流せず滞ってしまうので仙骨がダイナ
(発電機)として働き、脳脊髄液をいち早く環流させようとするため、
仙骨に瞬発的な電気ショックのような痛みを発症させます。仙骨内部
から今まで経験したことのないような痛みになります。痛みは数秒間
続きますが、落ち着けばおさまりますので深呼吸して通過させます。

仙骨とはジャイロセンサーのようなものになります。うなずき運動
(前屈)、起き上がり運動(後屈)等、八方向に微細に動き、体の動きを
瞬時に察知することで、体の生理機能が狂わない様に微調整してい
ます。危機がせまるとダイナモとして働きます。謂わば仙骨は心臓
の補佐役として重要な働きを担っています。

【脊髄の話】

脊髄は脳から連続する中枢神経になります。脊髄は頚髄、胸髄、腰髄
に分けられ、脳と身体を繋ぐ神経の束が、通信回路のように通ってい
ます。脊髄が損傷されると、運動神経、感覚
(知覚)神経等が遮断され、
麻痺やしびれ等を発症させます。ある神経が遮断されても、別な神経
回路でつなげて修復していくという力が人間にはあります
(神経可塑性)
この神経可塑性を促すことができるのが日本伝承医学の治療技術に
なります。脳障害、精神疾患等に著効を示す所以です。


 【日本伝承医学】

日本伝承医学は骨の特性である圧電作用と骨伝導を使用して、骨に
ゆり・ふり・たたきの振動
(ひびき)や圧を手技により加え骨髄機能を
発現していきます。骨には振動や圧が加わると電気を発生させる性質
があります。この性質を用いて施術にあたります。

脳脊髄液の環流を促す/血液の配分・循環・質を整える
肝臓の充血を除去し脳内の虚血を改善/胆汁の分泌促進
自律神経のバランスを整える
脊柱(頸椎・胸椎・腰椎)の歪みを調整/仙骨調整

 上記のように、骨の特性を用いて本来備わっている治癒力を引き出
し免疫力と生命力を高めていく治療法が、日本伝承医学になります。

脳脊髄液の循環の乱れ
骨盤(仙骨)を捉えなおす
消散性肛門痛/仙骨の発作痛/脳脊髄液減少症