肩こり・首こり発生の機序



 日々の臨床の中でよく患者さんから、どうして“肩こり”になるんですかと
いう質問を受けることがあります。“肩こり”の根拠と機序を誰でもわかり
やすく明解に答えることは、たいへん難しいことです。
 結果として筋肉内に血液の循環不良、停滞が起こっていることはまちが
いありません。故に「血液の循環が悪くなっているんですよ」と説明すると、
患者さんは、血液の循環が悪いのかと一応は納得するものです。
しかしどうして循環が悪くなるのですかと質問されるとなかなか簡潔に答
えられないのが実情です。この場合、一番わかりやすい説明が人体積木
理論からの解説になります。


 実際の積木を見せながら、人体の脊柱カーブと同じように積木をずらし
ながら積んでいきます。これ以上積むと積木は倒れることを見せて、修正
のためには逆方向に積木を積むことで、バランスをとっていることを理解
してもらうのです。そして、人体に置き換えて、首や肩を前方に凸出させ、
こうやってバランスを取っていることを示します。
 首や肩を前方に凸出させるということは筋肉疲労が起こるのは必然で
す。そして筋肉の硬化のために血液の循環不良が起こり、筋肉内に老廃
物がたまります。これが極限まできた状態が“こり”という感覚で身体にシ
グナルを発しているのです。これが肩こり、首こり、発生の機序となってい
るのです。実に簡単明瞭で的を得た説明なのです。
 故に肩こり、首こりは肩を押したり、もんだりする局所療法だけでは解消
されないのです。
 積木の積み方を下からひとつずつ変えて整えていくように人体も下部構
造から変えてあげることで、首や肩の前方凸出は起こらなくなり、すっきり
と解消していくのです。腰痛の発生も同様の説明で簡潔に行えます。
 まさに人体積木理論は、身体に起こる各種症状、疾患を実に的を得た
解説で簡単・明確に説明できるわかりやすい理論なのです。

※肩こり、肩の痛み、四十肩、五十肩、首のこり、首の痛み、頸椎症等の方は
 『人体積木理論』著:有本政治を始めからお読み下さい。

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