前後面の歪みは子宮後屈、顎(ガク)関節症を生み出す最大要因



 現代女性に多く見られる、子宮後屈、顎(ガク)関節症はどういう根拠と機
序をもっているのか、積木理論的考察を試みてみたいと思います。
 脊柱の生理的カーブの増大型のタイプと子宮後屈(不妊症、流産しやす
い)、顎関節症は深い関わりが認められます。
 脊柱のカーブを規定しているのは、脊柱という柱の基底部であります骨
盤の腰仙角が元になっています。たびたび述べてありますように、積木の
積み方が一方向にずれて積まれますと、ある段階で積木は倒れてしまい
ます。これを修正するためには逆方向に積木を積み上げないと重力線上
にバランスを保つことができません。特に人体の上部においては、すべて
の動く関節を導引して、その修正に当たらざるを得ません。


 人体におきかえますと、脊柱の基底部であります骨盤の前傾が強くなれ
ばなるほど、腰仙角は増大します。故に腰椎の前湾カーブは増大せざる
を得ません。胸椎の後湾カーブも増大します。しかし胸椎に関しては逆に
前方に胸を突き出してバランスを取る場合も程度によって引き起こされま
す。頸椎は前湾カーブを増大させます。いわゆる頭部が前方に凸出してい
る姿形です。
 このように骨盤の前傾(ヒップアップ体型)が極度に強いタイプの人は、積
木の積み方の修正に限界が生じてきます。


 前述してありますように、本来なら胸椎部は後湾カーブを強くすることで
バランスを取っていくのですが、後方への転倒を防止するために、逆に胸
を突き出すことでバランスを取るように働いていくのです。これが表現はよ
くないのですが、いわゆる「出っ尻・はと胸」といわれるタイプの人なのです。
はと胸だけでは、まだバランスがとれない場合は、女性であれば乳房を
大きくすることで前方への“重り”としてバランスを保とうと身体は対応して
いきます。
 現在では、身体は細くやせ型にも関わらず、乳房だけが発達している女
性を見受けることが多くなってきました(これも一種の異常バランス)

 ※子宮後屈、顎関節症の方は『人体積木理論』を始めからお読み下さい。

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