脳卒中を未然に防ぐための
         体の対応とその対処法


 生きている体が起こす症状には必ず意味があります。死因の
大半を占める脳卒中(脳血管障害)から身を守る対応は人体には
幾重にも張りめぐらされています。脳卒中は脳血管障害の総称
で代表的なものには脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があります。
こうした脳卒中を引き起こす背景には「脳温(脳内温度)」と
「脳圧(脳の圧力)」の上昇が必ず存在します。
 脳温と脳圧が上昇すると鼻血・嘔吐・頻尿・夜間尿・下痢・
めまい・耳閉感・耳鳴感・鼻水・涙・生あくび・口内炎・歯肉炎・
ほてり・頭部顔面発汗、ホットフラッシュ等の様々な症状が
兆候として現われます。脳内の血流を促進する対応として、
脳内血管がガラス管化するので頭に時々ピリピリ、ピキッ、
パリパリ感が走ります。極度の緊張や恐怖、不安感にみまわれ
た時、尿もれや失禁してしまう場合がありますが、これも脳圧
を抜くための対応となります。めまいやふぁ感の時に嘔吐が
伴うのも同様です。中でも最も危険度が高いのが鼻血になり
ます。これは脳に直結している鼻部の毛細血管を破ることで
出血させ脳圧を一気に抜いています。鼻血が出たときは少量
でも要注意です。
 脳卒中を回避するためには徹底して横たわる時間を増やす
必要があります。家庭療法としての首筋と頭部冷却法を行ない
脳内温度を下げます。生活習慣では「食・息・動・想・眠」の
見直しが急務です。食事では血液をドロドロでベタベタにする
食材は徹底して避けます。小麦粉(パスタ・うどん・パン等)
卵・乳製品(バター、チーズ、ヨーグルト等)の摂取は控えます。
食べたものは20分で全血液を巡り血液の質を悪化させてしまい
ます。赤血球の連鎖(ドロドロベタベタ)をまねき、全身の
毛細血管の流れを停滞させます。これにより脳への血液が滞り、
脳内の毛細血管のつまり(脳梗塞)と脳圧の上昇を作り出します。
また詰まった血管の流れを促進するために心臓ポンプに大きな
負担がかかり、心臓機能の弱りを助長します。日本人は西洋人
と比べて、乳製品の中の乳糖分解酵素が少なく、分解できない
体質的弱点があります。故に日本人は昔から米を主食として
いたのです。日本人にとって小麦粉は害になるのです。牛の
脂肪(牛乳、チーズ、バター)は一番分解しにくく、脂肪の分解
吸収を助ける胆のう(胆汁)に大きな負担をかけ、胆のう機能
を低下させます。胆汁が分泌不足になると血液の熱を冷ます
ことができなくなり、赤血球の連鎖と変形を生み出し、脳の
血管を詰まらせていきます。脳卒中を未然に防ぐためには徹底
した生活習慣の見直しが必要になります。

≪参考文献≫ 有本政治著: 『日本伝承医学の家庭療法
          
             日本伝承医学の食・息・動・想・眠