腹帯の重要性 

 

 現代では、腹帯(はらおび)を巻く真の意味がほとんど理解されず、習慣化
した行事としてとらえられています。しかし、これは形式的なことではなく、妊婦
さんの健康と胎児を守っていく上で大切な技法になります。
 人体の骨盤部は、三つの骨(仙骨、寛骨2)でおおわれた桶状の器となって
います。この三板の骨がばらばらにならないように“タガ ”の役目を果たすのが
腹帯になります。故に伸縮性のある素材(腹巻のようなゴム入りの腹帯)では、
タガの役割は果たすことができません。
桶にゴムバンドをかけても意味をなさないのと同様です。さらしを使った腹帯で
なくてはならない理由はここにあります。
巻き方は一日おきに交互の方向から巻きます。同じ方向に巻き続けると、骨盤
部に捻れのゆがみを発生させる要因になるからです。
 胎児が大きく育てば育つほどに、内部からの重力(圧力)が骨盤の三板の骨
を崩していきます。これを防止するのが“タガ”の役目をする腹帯になります。
まずこの意味をしっかり理解して頂きたいと思います。
 骨盤の骨の結合は、正しい位置に保たれることで、出産時の骨盤の開きを
安定させます。さらに子宮内で胎児が育ちすぎるのや、早産を防止することも
できます(妊娠線の発生を防ぐこともできます)
また、腹帯には母親としての自覚をもつ意味もあります。毎日おなかの赤ちゃん
に語りかけてあげながら、巻いていくようにしてください。おなかの中でだんだん
大きく成長していく赤ちゃんを見守りながら、母体にとっても赤ちゃんにとっても
最適な時期にこの世に誕生することができるように守ってくれる役割が、腹帯
にはあります。

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