血圧をとらえなおす
                血圧を薬で下げてはいけない理由


血圧とは何

 血圧とは「血液を流す力」をさします。体の隅々まで血液を流すた
めには、血液を流す力が必要です。これを「血圧」といいます。
体の中の血液はいつも同じリズムで流れているわけではありません。
状況に応じて血液を速く流す必要がある場合は血圧を高め、ゆっくり
流さなければならないときは血圧を低くし、血液を流す力をコントロ
ールしています。私たちの体はこのように、条件によって血圧を可変
できるシステムを兼ね備えています。



高血圧はこわいものですか

 高血圧を考える場合に、次の例をあげてみます。
私たちは100メートルを全力疾走したとき、呼吸が激しくなり、心
拍数も著しく上昇していきます。
これは全身の筋肉をふる回転させるために、筋肉に血流不足が生じる
からです。この血液不足を補うためには、通常の呼吸数(十八回分)、
心拍数(毎時60〜70)では酸素を全身の筋肉に送れません。そのた
めに一時的に呼吸数を増大させ、心拍数を高くします。そうすること
で血液を全身に速く送り出してくれるのです。全力疾走した後は、当
然血圧も高くなっています。血液を流す力(血圧)を高めないと、血液
を速やかに全身に送り込むことができないからです。これは、命を守
る上で必要な対応手段となります。
このように高血圧とは、血液を流す力を高めて、全身の血流を守り抜
こうとしている姿になります。ですから血圧が高いからといって、こ
わがる必要はありません。


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