病気や症状は一方的に悪ではない~生命の本質からの考察
                                   2023.2.4.有本政治
 

病気や症状を一方的に「悪」と捉える考え方は見直す時期に来ているように
思います。生物として生まれて、生きている体に起こるすべての反応(症状)は、
体をどんどん悪い方へもっていき、命を縮め早く死に至らしめるために発生し
ているのでしょうか。一方的に悪という捉え方は、早く死に至る対応と言うこ
とになります。これは明らかに「生命の本質」から逸脱した考え方になります。

動物、植物、昆虫にいたるすべての生命体の生きる意味は、「自分の命を存
続させて、種の保存を達成する」このために生かされているのです。生命の本質
はここにあります。自らの命を存続させるということは、最後まで命を守るよう
に対応していくということです。

生命体は長い時間をかけて生きる術(すべ)を身につけ、今につながっています。
つまり命を守るための防衛手段を幾重にも張りめぐらし、体調が悪くなれば、
それを元に戻す対応手段を完璧に備えているのです。この観点に立って体に起き
るすべての反応は、負の対応ではなく、180度視点を変えて、正の対応の視点で
捉え直す必要があるのです。

日本伝承医学では、病気や症状を正の対応で捉え直しています。これを知る
ことで自らの病気の本質を知り、不安をとり去り、回復には何をすべきかが明確
に見えてくるのです。この考え方に基づいて日本伝承医学の病気や症状の解説を
読み進めていくようにされてください。

※『がんを捉えなおす』『シリーズ病気をとらえなおす』には病気や症状の
とらえ方が詳細に記載されています。生命の本質を見直すきっかけにし、見誤っ
た命の選択をされないよう願います。

(参考文献) 『がんを捉えなおす』著:有本政治 
                    20031119日発行

       『シリーズ病気をとらえなおす』著:有本政治
                    2004414日発行

               発行:有限会社日本伝承医学研究所