古代よりお灸は、家庭療法として広く浸透していました。
もぐさに火をつけて“一点やけど”を作り、各種の痛み、
内臓疾患に効果をあげてきました。特に「弘法の灸(こうぼ
うのきゅう)」と呼ばれるものは、起死回生の療法として現
在においても内臓の腫瘍やがん治療に対して試みられてい
ます。
 “一点やけど”というお灸と氷冷却法とは、まったく対
照的と思われますが、実は同等の効果を発揮しているので
す。お灸によって体表にやけど(火傷)が生起されますと、
体はこれを元に戻そうと反応対応します。やけどの個所は
水疱ができて“水”をよんで冷却効果をひき起こすのと同
じ作用になります。
 お灸の場合は、皮下まで浸透しますから水疱は起こりま
せんが、人体はその炎症をしずめようとし、広範囲にわた
り冷却反応がおこってきます。これは10cm四方の氷を使っ
た局所冷却法と同じ効果であり、局所冷却法は現代版お灸
といってもよいのです。
 お灸は4000年前から古代人が築いてきた知恵であり、現
代までその効用は受け継がれています。 氷冷却法とは、
お灸と同等の効果を発揮する療法として位置づけられるも
のになります。

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局所冷却法は東洋医学の火を使う
“お灸”と同じ効果