0℃の温度が必要



 氷での冷却法をすすめたとき、簡便なアイスノンや保冷
剤を使用する人がみうけられますが、これは「似て非なる
もの」になります。
 家庭の冷蔵庫のチルドルーム(室温0〜1℃を保持)や活魚
運搬の庫内は常に0℃に保たれています。これは0℃が肉や
魚の鮮度を保つ上で最適な温度だからです。0℃は生体の
組織が循環してくれる温度であり、組織を生かしてくれる
温度になります。アイスノンや保冷剤は冷凍庫から出した
ときは、0℃以下(−4〜5℃)になっています。これをその
まま皮膚にあてた場合、凍傷をおこし人体に危険を及ぼし
ます。またアイスノンや保冷剤は時間がたつと温度が0℃
より上昇してしまいます。
 氷は、ひとかけらもなくなるまで氷水の状態であれば、
常に0℃を保っています。この0℃が体にとって一番有効に
作用する温度になるのです。


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