命の物理 〜 日本伝承医学


 現在最先端の「人体電気生理学」の世界でも、「人体は電気じかけのロ
ボット」(参照次頁:人体は電気で動いている)という表現を使って、人体内
の電気作用を詳細に研究しています。考えてみれば、脳も心臓も筋肉もす
べて“電気”で働いて動いています。それが現代医学の“脳波” “心電図”
 “筋電図”として取り出され、診断の重要な要素になっています。
このように「イノチの物理」は“電気”にあるといっても過言ではないのです。
 体内の“電気レベル”を常に一定に保つためには、もちろん体内で電気
を作ることも必要です。そのためのシステムは随所に存在しています。
しかしそれだけでは電気レベルは保てません。常に外部から、つまり大気
中から、大地からも電気を補充しなければなりません。時々刻々に電気を
補充し充電できること、これが生存の条件であります。
 「イノチの物理」が体内の電気レベルの一定化にあり、そのために常に
電気を補充し充電することにあるという発見は、これまでの生命観・人体
観・疾病観を根底から変えるものであり、これまで人類がどうしても解明
できなかったイノチに関する疑問、矛盾点、ココロと身体の相関等、問題
解決の“鍵”を与えてくれるものです。
       
      
 例えば、人間はどうして病気になるのか、という問題に対する解答も導
き出されます。
 世間でよく言われる、食事・睡眠・運動・呼吸法を完壁にこなしていても
50〜60才でがんにおかされてしまう人、逆に、放とう三味な暮らしをして
も90〜100才まで生きる人、これはいったいどういうことなのか、今まで
だれも解決のつかなかった問題です。       
 また、子どもが夢中で遊ぶときは寝食を忘れ、一日中でも野や山をかけ
まわります。食べないでも、寝ないでも、“疲れを知らない子ども”でいられ
るのです。この体力はどこからわくのか。おとながこれほどの体力を出す
ことはとうてい不可能です。
 

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