「ヒト」以外の生物は、みな「イノチの物理」に基づいた生活をしています。
故にヒトのように2万種に及ぶ“病気”でイノチをおとすことはほとんどありま
せん。家畜以外の生物がイノチを失うのは、天災による不慮の事故、食糧
不足による餓死、他の生物に食べられてしまう場合のみです。ヒトのように
“病気”になるということは皆無です。これはいったいどういうことなのか?
結論的にいえば、ヒトはココロの脱力ができないからです。
ココロに力がはいっていると、身体も緊張して中身が固まってしまいます。
身体が固まってしまっては、血液・体液の循環・配分が大きく狂わされます。
そして、次第に病気へと移行することになるのです。
しかし子どもや、好きなことに熱中して生活しているヒトは、ココロが脱力
していて、いつもあるがままの自然体の姿で生きています。動物もココロに
チカラが入っていません。例えば犬や猫の家畜でさえ、その“姿”から人間
のような、コチコチの緊張状態は見受けられません。
常に自然体です。脱力して自然体で生きているからこそ、瞬時にして必要
時に、ものすごい集中力が生じるのです。
(参照次頁:ココロの緊張と病発
生の機序) ヒトの場合、このココロの脱力ができているかが、健康に大
いに関わってきます。ココロのチカラが抜け、身体に無駄な緊張がなく、70
兆の細胞の“あいだ(間)”があいていれば、時々刻々に大地から大気中か
ら、電気粒子が体内に吸着できるのです。電気を補充充電できるのです。
どうして「健康法と長寿は結びつかないのか」 「子どもは疲れを知らない
のか」これらの疑問、矛盾を解決できるのが、日本伝承医学の発見した
「イノチの物理」に基づいた時々刻々に電気を補充充電できる方法にあっ
たのです。
日本伝承医学とは、この「イノチの物理」に基づいて、技術、理論を構築
しています。これにより、だれがやっても単純で簡単で、短時間に体内の
電気レベルを一定化する技法を作りだしました。世界ではじめて、真に効
果のあがる「家庭療法」を実現できるものと確信します。
この「家庭療法」は無限の可能性を秘めた技法であり、寝たきりの人、難
病に苦しむ人、がん治療、がん予防、心身症、精神病、知的障害、自閉症
に至るまで、だれでもが行える最良の方法であります。
病気とは何か?ヒトはなぜ病気になるのか?この根拠と機序をあきらか
にすることで、解決策は、おのずと見つかります。「イノチの物理」を知るこ
とで、自らのイノチを自らが守ることができるのです。
日本伝承医学の提唱する「命の物理」は、生命体の全面的認識というア
プローチの中から、生まれた革新的な概念です。
本来、医学・医療というものは、命の本質的な理解があって、その上に成
り立つべきであります。その意味において「命の原理」に立脚した“命の物
理”という日本伝承医学の概念は、医学の世界に新たな息吹を与えるもの
と確信します。
有本 政治