次に右捻れについて説明してみましょう。
左捻れの項で述べてあるように、肝臓と脾臓は、炎症・肥大を起こしやす
い臓器です。脾臓は体幹部の左側(左側腹部・横隔膜の下)に位置しま
す。脾臓に肥大が生起されますと、肝臓同様に圧迫を避け、動くスペース
確保のために、右捻れを余儀なくされます。
 また、もっと根本的に、遺伝的に体質的に虚弱なタイプに属する人は、
前述してあります体内右スピンの法則をより助けるように、右捻れを起こ
し、機能向上をはかろうとするのです。
 私の臨床経験の中でも、生まれつき心・肺機能の弱いかた、肺・腎臓
機能の弱いタイプのかたは、免疫力の低下を防ぐために、ほとんど例外
なく右捻れを呈しています。命を守る方向に対応していく姿は、生物とし
て必然のことです。体型的には細身で、手足が長くヒップアップしたタイプ
です。
 身体に右捻れが起こりますと、一番影響を受ける臓器は、膵臓があげ
られます。膵臓という臓器は、脾臓と直接に連結されている臓器です。片
方に機能低下が生じれば、直接連結している、となりの臓器に影響が及
ぶのは、必然です。
 また右捻れの女性の多くに左卵巣機能低下が起こりやすく、卵巣膿腫、
子宮内膜炎、子宮筋腫と移行するケースが、臨床上確認できています。
体幹部の右捻れは、脾臓・膵臓に影響を及ぼします。当然、肺・腎臓の
機能低下と連動して、内臓全体に影響を与えることになるのは明白です。


 体幹部に起こる“捻れ”の歪みは、右捻れ、左捻れそれぞれの特徴を
有していますが、内臓全体に波及し、脳へも、また免疫機構の総本山で
あります腸(小腸・大腸)にも機能低下をもたらします。
免疫力の低下はあらゆる疾患の引き金として作用していきます。身体の
内部はヨラれることが必要であり、しかし外形に起こる捻れの歪みは、内
臓に致命的な破壊をもたらしていくのです。
 全内臓に機能低下を生じさせる、捻れの歪みは速やかにヨリを戻して
おかなければなりません。そのためには“捻れ”の根拠と機序をしっかり
と把握しなければなりません。
 以上の考察の中から、捻れに対する認識を新たにしていただければ
幸いです。

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