左捻れ・右捻れの考察



 人体に左右二つある臓器であります肺と腎臓に的をしぼって、内臓への
影響を考察しましたが、当然、他の臓器にも捻れの影響は及びます。
人体を左捻れと右捻れに分類し、肺・腎臓以外の他の臓器への影響を考
察してみましょう。
 人体を後方に位置して真上からながめ、左に身体が捻れているものを
左捻れとし、右に捻れているものを右捻れとして、二つに分類してそれぞ
れの特徴を簡単に説明します。
 まず左捻れの場合、影響を受けるのは、肝臓、心臓、脳をあげることが
できます。肝臓は人体中、最大の臓器です。全臓器の中で、機能低下に
より、炎症と肥大を起こしやすい臓器は、右側に位置する肝臓と左側に位
置する脾臓になります。
 心労やいわゆる精神的ストレスの持続は肝機能を低下させ、肝臓に熱
の蓄積を生じ、ついには炎症や肥大を起こさせる原因となります。人体の
右側に位置し、胴体の中央部をほとんど占めている肝臓に肥大が生起さ
れますと、その圧迫をさけ、動くスペースを確保しようとして肋骨というカゴ
を前方に突出し、なおかつ左に捻ることを余儀なくされます。これが身体
に起こる左捻れの最大の要因として働くことになるのです。


 体幹部が左捻れを起こしますと、この捻れの歪みは、肺・腎臓の他に、
心臓が一番その影響を受けることになります。後に詳しく解説(人体の内
部はヨラれている編)してありますが、人体が四つ足から二足直立に移行
する際、人体内の臓器は右捻れ(スピン)を余儀なくされています。その
代表的存在であります心臓は、すでに右捻れの状態で内部に収まってい
ます。
 体幹部に起こった左捻れは心臓の右スピン(捻れ)を逆転させることに
なります。これは心臓の噴出し口にあたる大動脈の血液循環を妨げる最
大の要因として作用することになるのです。
この状態の持続は、心臓に何らかの変調を引き起こすことは必然です。
血流を確保するために、血管を細くしたり、老廃物をためてまで血管を細
くして、血流を速くして命を守るための対応手段を講じてきます。これが心
臓の各種病気をうむ、根本の原因となります。

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