生命人体の設計にミスはありません。その通り、肺は生存のための最
重要物質、酸素を取り込み、血液に混ぜて全身の全組織に運搬し、全細
胞を滋養しています。そして、呼気として体内の有毒ガスを排出し、さらに
体内の熱をすてる働きをしています。
腎臓は血液の再生装置として働き、不用な毒素を尿として膀胱に送り、
体外に排泄しています。尿の排泄は、体内の熱をすてる作用も合わせ持
っています。さらに腎臓は全身の血液・体液の配分をコントロールすると
いう重要な働きをも担っています。
肺と腎臓機能は、生命を維持する上で、もっとも重要な器官です。
肺呼吸が停止すれば、人の生命は約4分後で命を失います。また、血液
のろ過再生機能をもつ腎臓は、生命維持にとってかかすことのできない
器官でもあります。腎機能の低下は尿閉塞を併発し、命をわずかしか保
つことができません。
食べ物を一切とらなくても約1ヶ月くらいは、命は存続できるといわれて
いるのに比較すると、肺と腎臓は生命維持に一番大きく関与する臓器で
あると位置づけられるのです。
生きていく上で不可欠なエネルギー物質、酸素を取り込み、全身に送る
システムと、水系成分が7割を占める人体の血液・体液の再生装置に破
綻が生じるということは、すべての生理機能に機能低下を引き起こすこと
になります。これは人体の免疫機構にも破綻を生じさせることになり、免
疫力の低下はあらゆる病気にかかる可能性をもつことにもつながります。
私が主張する疾病観の中で、病気とは熱との闘いであると論じています。
身体の余分な熱をすてる手段である、呼気、皮膚呼吸、小便大便のほと
んどに関わる、肺と腎臓の機能低下は、体内に熱の蓄積を生じさせ、4段
階の熱をすてる対応システム(詳細は別項に)を経て最終対応である、が
ん化へと進んでいくことは必然となってくるのです。
その他にも、自己免疫疾患とよばれているリウマチ、膠原病等の原因
不明といわれている難病も、肺と腎臓の機能低下が大きく関わることは
自明の理であります。
生理機能上、肺と腎臓機能低下が生起されるということは、たいへん
重大な問題になります。生命を維持するために、重要な役割を担ってい
るからこそ、肺と腎臓は二つづつ備わっているのです。体幹部に起こる
“捻れ”という歪みは、肺と腎臓の機能を大きく乱していく要因として作用
するばかりでなく、すべての内臓機能の低下に関与しているのです。
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