例えば、砂をふるいにかける場合、その容器(器具)をゆり動かすこと
で、アミの目を通過させます。また、化学の実験で液体を化合させる場合、
ふり動かして化合を促進させます。
 このように腎臓は、動きを必要とする臓器なのです。特に腎臓のある位
置は下部肋骨部です。この下部肋骨部は、呼吸運動において息を吐き
出す時に収縮する部分です。
 呼気の際、横隔膜が上に上がるのと連動して、カゴ状の肋骨の下部を
すぼめることによって、息を吐き出す原動力として働いているのです。
 わかりやすい例をあげれば、陸上のランナーたちが、走り終えてゴール
した際、両手を腰に当てて呼吸を整えている姿を必ず目にします。
これは、上述してありますように、腰に両手をそえてやると、下部肋骨の
収縮を助けることになり、息を吐き出しやすくなるのです。
息は吐くことが重要で、吐けば自然に息は入ってくるのです。これは走り
終えて呼吸を整えるために無意識に行っている“しぐさ”ですが、たいへ
ん理にかなっていることです。


 このように肋骨下部は、呼吸運動により、常に動きが生起されている
場所なのです。この部に位置する腎臓は常にゆり動かされて、その機
能を円滑に営んでいるのです。
 体幹部に起こる捻れは、この肋骨下部の片側の腎機能を低下させて
いく最大の原因として作用することになるのです。また左右二つある女
性の卵巣も同様の影響を受け、機能低下を起こすことはいうまでもあり
ません。
 その他の臓器、肝臓、膵臓、脾臓、小腸、大腸等も当然捻れの影響を
少なからず受けることは明白です。ここでは、もっとも捻れの応力を受け
やすい左右二つある肺と腎臓に的をしぼって説明してみました。

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