ヨリをもどす最適な技術



 「すべては捻れから始まる」という考察は、私たちに新たな視点と認識
を与えてくれました。 病気の回復・予防を達成する上で明解で画期的な
考え方であります。
なぜならば、“ヨリをもどす”という一点にしぼって診断ー技術行使ー判定
が一連の流れの中で、行えるからです。
 目標が明確であるということは、まよいを生じさせません。診断と判定が
シンプルであること、技術が簡単単純・短時間で行える、まさに“捻れの
認識”がこれらを可能にしたのです。日本伝承医学がめざす家庭療法を
可能にできるのは、この“シンプル”という一語に尽きると思います。


 簡単に捻れの診断・判定を紹介します。まず診断は、患者は仰臥位(ぎ
ょうがい)に寝て、両手を水平までひらきます。(掌は上向き)そして両膝
をそろえて90°まで屈曲します。その姿勢で、揃えた両膝を右捻り、左
捻りして、その差を判別します。差があまりはっきりしない場合は、捻りの
抵抗感を覚えておきます。右捻り、左捻りのどちらかに違和感、引きつり
感、痛みが発生する場合は、身体に捻れの歪みがあることを意味します。

己診断も可能です。
 次に、日本伝承医学の基本技術を行って、もう一度、同じ姿勢を取り、
判定を行います。左右捻った状態がバランスがとれていれば、捻れの修
正ができ、“ヨリを戻した”と判定してよいのです。実に簡単な診断と判定
ですが、これまで詳述してありますように、捻れの歪みの意味するものは、
そのまま放置、助長させると、内部に致命的な破壊をもたらします。
 外見からはわからない、まさに、バナナの中身のような黒ずんだり、腐
りかけている状態を呈しかねないのです。 速やかにヨリを戻しておく必
要があるのです。一番簡単に誰でもが行える診断と判定といえるでしょう。


 日本伝承医学の持つ技術は、身体の捻れを修正するのに最も適した
技術です(詳細は技術の概要参照)。
 古代日本人が残してくれたこの技術は、高度な生命観と人体観に立脚
したまさに世界に例を見ない驚嘆に価する治療です。
「命の物理」と「捻れの認識」が見事に結合した治療技術といえるでしょう。
診断ー技術ー判定が一連の流れの中で実にシンプルにおこなえるところ
に大きな特徴があるのです。
 人体バナナ理論の意味することを、深く認識され、ヨリをもどすコトの重
要性をかみしめていただれければ幸いです。
「論より証拠」ということわざがありますが、実践を通す中で、その効果の
ほどを実感できるものと確信します。

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