捻れの首・ガク関節への影響



 体幹部に発生した捻れは、人体の最上部に位置する首(頸部)、アゴ
(顎関節)にも当然影響をもたらします。
 よく卒業アルバムの写真の中で、正面を向いて写っているにも関わらず、
首をかしげて写っている写真を目にすることがあります。わざとかわいく美
しく、格好よく写ろうとするために顔を斜めにかまえたりするのは別にして、
自分では真正面にまっすぐしているつもりでも、写った写真はすべて、斜
めにかしいでいるというひとがいるかと思います(特に美人が多い)。
 実はこのタイプの人は、姿勢に大きな歪みをもっているからなのです。
体幹部が捻れているということは、その上部にのっている首、頭も捻れる
ことを意味します。しかし捻れた顔で立ったり、歩いたりはしません。当然
正面を向くように修正して、立ったり歩いたりします。つまり、捻れとは逆
方向に修正を余儀なくされているのです。


 わかりやすい例をあげれば、積み木を高く積み上げる場合、倒れそうに
なるのを防ぐためには、逆方向に積み木を積むことで、バランスをとってい
くことを考えればよいでしょう。
 体幹部は捻れていても、顔面は正面を向くように修正を加えなくてはな
らないのです。修正を加えるということは、首の筋肉を正面向くように収縮
して首全体を引っ張ることになります。常に、筋肉を収縮させて、修正を余
儀なくされるという状況が生じるのです。
 この状態を長期間持続させていきますと、当然筋疲労が発生し、筋肉内
の血液・リンパ液・体液の循環を停滞させ、いわゆる“コリ”を作り出してい
くことになるのです。
 首コリの発生は、この機序によるものです。首の筋肉は、肩甲骨・鎖骨・
肋骨と結びついています。長期にわたる筋肉の収縮は当然、これらの骨
(関節)の位置を正常より、逸脱させる原因となることは明らかです。

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