捻れの肩・肘・手への影響



 人体の体幹部に起きた捻れは、当然上肢(肩・肘・手)へもその影響は
及びます。胴体の捻れに連動して、片側の肩が前方に巻き込む形をとる
ことになります。
 肩の内旋位は、それだけで上肢の挙上を制限します。上肢を挙上する
際に、肩の上腕骨頭部は回転(外旋)しながら、肩甲骨の出っ張った鵜ロ
(うこう)突起の下を通過できるというしくみになっています。上腕骨頭が前
方に回転(内旋位)した状態だと外旋(後方に回転)が少なくなり、骨がぶ
つかりあって挙上に制限が生じます。これは簡単な実験で体験できます。
 立位で体側から上肢を側方(横)にあげていきます。何の問題もなく、上
肢は耳にくっつくまで挙上できます(180°挙上)。次に上腕部を前方に回
転(内旋位)つまり捻った状態で、側方挙上しようとしても、ある位置から
は上腕と肩甲骨がロックされた状態になり、耳まで挙上することはできな
くなります(120°で制限)。
 この実験で明らかなように、上腕部が内旋位(前方に回転)をとると、挙
上に制限が発生することになるのです。この状態で投球動作、バレーボー
ルのスパイク、テニス、バトミントン等のラケット操作を繰り返しますと肩関
節に異常な負荷を与えることになり、関節炎、筋肉痛、さらに肩板損傷、
カルシウム沈着等を引き起こすことは必然となってくるのです。

※肩・肘・手に痛みがある方は『人体バナナ理論』を始めからお読み下さい。

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