筋肉は関節を動かす動力です。筋肉は必ず、骨と骨の連結である関節
をまたいで骨にくっついています。これにより、筋肉が縮むことで、関節を
動かすことができるようになっているのです。
 大腿部(モモ)でいえば、股関節を上に持ち上げる筋肉(大腰筋)は、全
腰椎の裏側から内股に付着し、これが縮むことで上方に大腿部が持ち上
がります。
 膝を曲げるためには、大腿部の裏側から膝の下までつながっている長
い筋肉(大腿二頭筋)が縮むことで膝が屈曲できます。膝を伸ばす筋肉
(大腿四頭筋)は、大腿部の前面にあり膝下まで付着しています。
 大腿部(モモ)の筋肉は人体中最も長く太い筋肉です。骨盤と筋肉をな
す股関節、股関節と関節をなす膝関節に捻れが生じるということは、この
大腿部をおおっている前述した前面、後面の筋肉に常に捻った張力を与
え続けることになります。 筋肉に加わる張力はさらに内部の神経を引き
伸ばすことになります。神経は引き伸ばされると、その伝達能力を低下さ
せていきます。
 全体の姿勢の項で解説してある通り、長い筋肉であります大腿筋に、
捻れの応力が加わるということは、筋肉内の血液・体液・リンパ液の循環
を阻害することになります。ゴムホースを例にすでに詳述してありますよ
うに、液体の流れを停滞させていくことになるのです。循環が滞れば神経
伝達に低下が起こり、筋肉の機能も徐々に低下していきます。

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