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現代女性へのメッセージ



 現代は女性にとっても男性にとっても難しい時代のようである。
価値観の多様化がもたらした、自分の生き方の“モサク”の時代とでもい
えようか・・・。
 多様な価値観(世界観、歴史観、社会観、宗教観、人生観・・・)は、本
来人それぞれであるべきで、国家や社会、他人がああしなさい、こうしな
さいというべき問題ではない。大切なことは、それぞれの“個”を尊重する
姿勢であろう。
 現代のように、人間を取り巻く環境が複雑、多様化すると、エコロジーの
創始者であるヘッケルの述べた、第一法則のように、その環境の中に生
きる人間は全ての面において“画一化”の傾向を強めていくようである。
事実、社会現象をながめてみると、教育面、ファッション等、画一的な現
象は多く見られる。
 多様な価値観と社会的な画一化現象という相反する対比の中で“右往
左往”して、どう生きたらいいのか必死にもがいて、モサクしているのが
現代人ではなかろうか。

 封建時代のような、価値観の決められた時代においては、一番理想的
な、それぞれの“個”を尊重する生き方など望むべくもないが、決められた
生き方、価値観の一元化は、ある意味において、迷わない楽な生き方で
あったように思える。なんのためらいも迷いもなく、女性はこう生きるべき
だ、男性はこうあるべきだという、儒教的価値観の中で必死に生きて行け
ばよかったのである。
 現代は自由を謳歌しているように見えて、その実は心のよりどころを失っ
て、さまよっているといえるのではないだろうか。ではこのさまよえる現代
人、特に女性はこれをどう受け止め、どう考えているのであろうか?
私の一方的な女性へのメッセージではあるが以下述べてみたい。

 ヘッケルの第一法則のごとく、現代は女性の男性化、男性の女性化と
いう男女の画一化(ユニセックス化)が進んでいるといわれている。
しかし、どう画一化されても“性転換”は起こりようもなく、女性は女性、男
は男でしかない。画一化されても最終的に残る決定的な差異は、女性は
“出産できる”ということである。他の要素は同化していっても別に大きな
支障にはならないのである。
 この女性の“出産、母乳による育児”は誰でも、取って変わることはでき
ない女性の女性たる特質なのである。故に女性は、古来より、おカミさん、
カミさんと呼ばれ、神さん=神様、なのである。男はどんなにいばってみて
も“神様”にはなれない。古代人の直感力には頭がさがる。
 この女性の特質である出産、母乳による育児であるが出産はいわばだ
れでもできる。女性の神様たる所以は“母乳による育児”にあるのである。