自分の専門を向上させたいのなら、一般教養を磨け、言いかえれば自
己の人格を磨け、ということになるのである。もっとつきつめて言えば、
「全体と部分」、「総合と個」との関連の中で、「全面的認識とは」という問
題にも置き換えられる。これらは、相反するものであるが、これらが二つ
あって初めて機能するのであって、そのお互いの 『関連』を十分に理解
することが全面的認識ということである。

  「学習の基本」は、まず自分と学問との関連をよく認識し、学ぶ『対象』
と自分の学習のレベルをよく理解してそれに合致した目標を立てること
である。
 「あたりまえの再発見」とでも言える所であるが、常にここにかえって自
己の「点検」を忘れてはならない。
 新しいスタートの季節にあたり、大地は「雪割草のごとく」大きく夢ふくら
み、大空に向かって地を割り、芽を出さんとする。
希望に満ちた「春」を迎えんとする今日この頃であるが、大地にしっかり
と「根」を張るには、学習の基本の大切さを認識することにかかっている。


                               1990.  3. 20 





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