部分(局所)しか見えない現代人



 人体の下部構造にひずみが生じると、上部で修正することで、人体の
直立を維持しているという視点は、身体の歪みがどうして起こるかを解明
する“キーポイント”となる考え方です。まさに“積木の積み方”が如実に
その答えを導き出してくれています。
 これまでの解説で示してある通り、脊柱の正常な生理的カーブの逸脱
は、長期に及ぶと応力の集中が持続し、椎骨の変形、椎間板の脱出(ヘ
ルニア)、神経の引き伸ばしを人体に発生させてきます。
 各種腰痛、椎間板ヘルニア、腰椎分離症、腰椎すべり症、肩こり、首こ
り、手指のしびれ、痛み、頸椎4番5番の変形、顎(ガク)関節症、子宮後
屈といった各種疾患は、すべて姿勢全体が歪み、脊柱のカーブの逸脱が
根本原因にあったのです。
 上述した各種疾患は局所(部分)に目をうばわれて、局所治療を行うだ
けでは根本の治療にならないことは、この積木理論によって明白であり
ます。
 「全体と部分」との関連が見えなくなっているのが現代人の人体に対す
る思考の特徴です。以下各症状別に詳細に解説してみます。

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