例えば手、指の痛み、しびれ、まひはまずX線診断で、頸椎の4番、5番
の椎間板症、椎間狭窄症、変形性頸椎症という診断がつく場合がほとん
どです。しかし腰椎椎間板ヘルニアの項で解説してありますように、神経
の一点圧迫による痛み、しびれ、まひは発生しません。
頸椎全体のカーブの異常から神経が引き伸ばされたり、あるいは首の
前方凸出と肩の巻き込みにより、鎖骨と第一肋骨間のすき間が狭くなっ
たり、周辺筋群の硬化によって引き起こされている場合がほとんどなの
です。斜角筋症候群、鎖骨下症候群という症病名として、取り扱われる
べき症状であります。
これを改善するに当たっては積木理論に従って、全体の脊柱カーブを
正常に復し、バナナ理論に従って身体の捻れの歪みを修正することがま
ず前提であり、これによりほとんどが症状を改善することが可能になるの
です。
どんなに狭窄、変形融合があろうとも、椎間孔が狭くなっていようとも
“イノチを守る”ために必要な頸椎生理機能は最後まで失わせません。
これは生物としてあたりまえな処置です。“変形はすべて悪”とする一方
的な解釈は正・反二面をを有する宇宙、自然界・社会の法則からしても一
方向からしかみていない解釈と言わざるを得ません。
人体積木理論は、このように現代人が失ってしまった、“全体と部分”と
の関連を見事に“浮き彫り”にしてくれるものであります。