人体積木理論


はじめに


 人体積木理論とは、積木の積まれた姿を人体構造にたとえ、人体に起
こる姿勢の歪みをわかりやすく解説したものです。
 人体は縦長な構造物で、そのしくみを支えているのは骨格になります。
大小、長短、さまざまな形をした「骨」が、まるで積木のように積み上げら
れた状態で、人体は縦長の構造体を形成しているのです。
 下肢の骨のように棒状の長い骨もあれば、脊柱の椎骨のようにマッチ
箱のような小さな骨もあります。人体は積木のように同じ形をした固体で
はありませんが、上に積み上げられた構造体である点においては同様
です。


 誰しも幼少の頃、積木遊びをした経験はあると思います。積木を高く積
みあげたときの喜びと、それが一気に“ガチャン”“ガラガラ”とくずれると
きの喜び。この両方がある故に、子どもの心をとらえてはなさないものの
ようです。また、積木に描かれた絵とその裏の文字によって、物事のこと
ばを覚えていく楽しみもあるのです。
 実はその“積木”に人体構造に起こる歪みの“ナゾ”を解く鍵があったの
です。人体積木理論は、誰もが納得することができる、わかりやすい理論
であります。また、現代人が人体・生命・疾病を考える場合、まるで洗脳さ
れたかの如く、部分的(局所的)にしかモノを考えられなくなった姿を如実
に“浮き彫り”にしてくれる理論でもあります。


 全体と部分との関連をこれほど的確に、端的にわかりやすく解説できる
理論は、これまで存在しませんでした。
  人体バナナ理論の項で、姿勢の歪みの分類を便宜上、前後面、左右
面、捻れ面の三態に分類し、解説してきました。しかし実際人体に起こる
歪みは、この三態の複合体であります。
“捻れ”という歪みは、前後面、左右面をその中に内包している状態なの
です。前後面のみ、左右面のみの単品の歪みは人体には起こりません。
 人体積木理論では、姿勢の歪みをわかりやすく解説する便宜上、前後
面のみに限定して解説していきます。

次のページへ