胆のうにできる“石”を胆石症とよんでいます。この石
が胆管に入った場合、七転八倒するような激痛をともなう
ため、この石は悪いものとして一方的に判断され、何の疑
いもなく、手術で除去したり、溶かしたり、レーザー等で
粉砕する処置がとられてしまいます。石がどうしてできる
のか、石を形成することでどういう対応していくのかとい
う発想は皆無であります。
 日本伝承医学の生命観・人体観・疾病観は、生物として
の人間が一日も早く死ぬために症状や病気を作るのではな
く、命を守り、存続させるために、元にもどす対応として
各種症状をとらえています。人体がその生理機能を円滑に
営むためには血液・体液がよどみなく、全身にあるいは組
織、器官に循環・配分されなくてはなりません。また血液
の質(成分)も一定に保たれなければ生理失調を起こしてし
まいます。この観点に立って胆石というものの形成をとら
え直してみますと、胆石ができる機序が見えてきます。


胆石とは何か

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