胆汁不足が心臓病を引き起こす

   胆汁の分泌低下の裏には、必ず肝臓の機能低下、すなわち肝臓の充血、
  炎症が存在します。内臓の中で最大の実質臓器である肝臓の充血は、全身
  の血液の配分を大きく狂わせる要因となります。遺伝的に心臓機能の弱い
  人は、全身の血液の配分が乱れることによって、心臓の虚血状態と毛細血
  管の循環不全を引き起こしていきます。また胆汁不足は、血熱を生じさせ、
  毛管内の赤血球同士をくっつけ、毛細血管の流れを悪くしたり、血管のつ
  まりの要因となります。そして動悸、息切れに始まり、狭心症、心筋梗塞、
  心室細動などの心臓病の原因となっていきます。
   もともと遺伝的に心臓が弱い人は、肋骨(ろっこつ)の3,4,5番の動
  きが悪く、心臓部に熱がこもりやすく、心臓部から噴き出す血液にも熱を
  帯びやすくなっています。特に夏期の猛暑時には、体全体が温められ、ま
  すます血液に熱をもっていきます。この血熱を取り去ろうと体内は胆汁の
  分泌をさかんにしていきます。苦い胆汁を出し、熱を処理しようと懸命に
  働くのです。血液に胆汁を混ぜて、熱を下げようとするのですが、心臓機
  能が低下している人は、この胆汁の分泌がうまくいかず、胆のう機能をあ
  げるために、胆のうに熱を発生させていくのです。
  そして熱の発生は胆のうに炎症を起こし、胆のう肥大を引き起こしていき
  ます。このような理由から夏に胆のう炎を起こす人が多くなります。さら
  に、胆のう炎がひどくなると、体はこの熱を処理しきれなくなり、胆のう
  当該部の皮膚上に帯状疱疹を発生させ、熱を体外へすてる手段をとってい
  きます。また、心臓本体も熱を除去しようとするため、口内炎、口角炎、
  舌の腫れ、しびれ等をも引き起こしやすくなります。心臓の反応は口や舌
  に表れるため、このような症状を発生していきます。  次のページへ