胆汁不足は血液の質を低下させる
胆汁は小腸の一部である十二指腸ですい液と合わさり、食物からの栄
養を消化吸収していきます。
胆汁の分泌が不足すると、脂肪の乳化作用が低下し、消化吸収作用がお
ちていきます。栄養物の消化吸収が正常に働かないと、不純物や有毒な
物質が門脈を通り、それらの毒素が肝臓に返されてしまいます。門脈と
は、小腸で消化、吸収した栄養素を肝臓へ運ぶ動脈のことで、毒素が門
脈から肝臓に返されてしまうと、肝臓はその解毒作用に追われ、機能を
大きく低下させることになります。肝機能の低下は肝臓の解毒作用、赤
血球の分解作用を低下させ、血液の成分、質を大きく乱していきます。
この血液の質、成分を元に戻す対応として体は一過性に血糖値を高く
していくことでエネルギー不足を補おうとします。これが血糖値を高く
する理由になります。糖尿病の原因はこのように胆汁不足から起因して
いたのです。
また、胆汁不足により肝臓の解毒作用が低下すると、アンモニアを分解
することができず、血液中の尿酸値が著しく高くなります。
体はたんぱく質を分解することで、エネルギーを得ていますが、その過
程で生じるアンモニアが分解されないと、血液中の尿酸値が高くなって
しまいます。尿酸の異常は、赤血球同士をくっつけ、筋肉や関節の毛細
血管をつまらせていきます。そして関節や筋肉に痛みやしびれを発生さ
せます。リウマチや痛風等の症状は、ここに原因があったのです。
このように、胆のうの胆汁分泌不足は、肝臓、胆のうを相乗的に機能低
下させることになり、全身の他の組織、器官に大きな影響を与えること
になります。そして糖尿病や痛風、リウマチ、手足のしびれ、まひ、筋
肉の痛み、関節の痛み等の症状を引き起こす要因となっていきます。
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