胆汁不足は血液の熱を高くする
胆のうは肝臓の裏側に、親指のような形をしてぶらさがっ
ています。肝臓は、体の中で最も中身のつまった臓器で、
肝細胞によって形成されています。生命維持にとって、重
要な働きを担う肝臓の作用を挙げてみます。
@ 栄養の調整、貯蔵作用
グリコーゲンとして栄養素を貯蔵し、血糖として全身
の血液に流します。
A 解毒作用
体内の新陳代謝によって生じた毒性のある物質を分解
して無毒化し、尿素という物質に変えていきます。
B 赤血球の分解作用
古くなった赤血球の中のヘモグロビンを分解して、
ビリルビンという胆汁の成分に変える作用があります。
C 体熱の維持作用
肝臓の細胞が活動するときには、たくさんの熱を発生
させます。この熱を血液によって全身に配分し、体温
の約七割をこの熱によって維持しています。
このような肝臓の働きを補佐したり、ときには抑制したり
していくのが胆汁の役目になります。
「肝胆合い照らす」というように、肝臓と胆のうは表裏
の関係にあり、お互いに助け合い協調し合って、生命を維
持していくために大切な役割を果たしています。
肝臓で作られた胆汁は、胆のうに蓄えられ、必要なとき
に分泌される仕組みになっています。 次のページ