手術や薬物で処置するとどうなるか
一般的に胆汁うっ滞の原因と考えられている胆石や胆管狭窄は、胆汁の分
泌を阻害するものととらえられています。しかしこれは誤った認識になりま
す。体は胆のうに結石を作ることで、胆汁の濃度を濃くする目的と、胆汁の
流れを速くする目的を果たしています。必要だからこそ、石を作っているの
です。この結石を砕いたり、手術で取り去ってしまうと、体はますます胆汁
の分泌低下を引き起こします。
また胆管狭窄も同様で、胆管の径を細くすることで胆汁の流れを速くする対
応の姿となります。胆管狭窄を手術で拡張してしまうと、胆汁の流れがゆる
やかになってしまい、十二指腸への胆汁の分泌がかえって低下してしまいま
す。このような対症療法に終始していくと、体はますます命を守るための対
応手段をとっていきます。そして最終的には胆のうがん、胆管がんへと移行
してしまうことにもなります。
胆汁のうっ滞により症状として表われる黄疸、大腸の異常(便秘、下痢)、
皮膚のかゆみ、皮膚病等を薬で消し去ってしまうということは、あくまでも
その場しのぎの対症療法にすぎません。それどころか薬物の長期使用は、交
感神経の緊張を助長し、内臓をコントロールしている自律神経(交感神経と
副交感神経)のバランスを乱すことになり、肩こり、腰痛に始まり、他の臓
器の機能低下を進行させていきます。特にすい臓の病気、心臓病、脳の循環
障害を発生させてしまう大きな要因となっていきます。
私たちの体には本来、自分の力で元に戻そうとする力が備わっています。
薬や手術等の一時的な対症療法を選択したことにより、症状が治まったかの
ように錯覚しがちですが、実は、現象に表われなくなっただけで、体内の潜
在下でもっと深刻な状態になっているということを理解して頂きたいと思い
ます。 次のページへ