この濃度の薄い胆汁は、小腸内に送られても胆汁本来の働きができないた
め、すい液との共同による脂肪の分解、吸収がうまくいかなくなります。そ
のため体はこれを補おうとし、すい液を多量に出していきます。これはすい
臓に大きな負担をかけ、すい臓は機能低下を起こしていきます。そしてすい
液の生成不足、インスリン、グルカゴンの分泌異常を引き起こします。
体は、このエネルギー不足を補うため、血糖値を急激に高めていきます。必
要があって血糖値をあげているのに、これを薬で抑えてしまうと、ついには、
糖尿病にまで移行してしまうことになります。
また小腸に胆汁酸が不足すると、カルシウムの吸収が適切に行えなくなり
ます。カルシウムは生命維持にとって欠かすことのできない物質になります。
体は命を守るためにカルシウム濃度を厳密にコントロールしています。この
ため骨に蓄えてあるカルシウムを大量に溶出し始めます。当然骨量が減少し
ていき、この状態が続くと、副甲状腺から出ているカルシウム濃度を高める
ホルモンの、分泌機能に異常が生じてきます。
これを薬で補ってしまうと自律神経のバランスをくずし、交感神経を緊張さ
せ、首や肩のこりを生じさせます。首の動きが制限され、痛くて首を前屈す
ることができない状態にまで発展してしまいます。これは全脊柱に連動し、
慢性的な腰痛をも生み出していきます。
胆のうを除去してしまうと体はこのように、他の組織、器官に様々な影響
を及ぼしていきます。脳循環障害、心臓疾患、リウマチ、痛風という病気を
発生させる確率も高くなっていきます。
人体中の臓器に不必要なものなどは、ひとつもありません。
どの臓器も他との関連性の中で、命を守っていくために重要な役割を果たし
ているのです。 次のページへ