胆のうと筋肉、関節との関連
苦い体液である胆汁の分泌不足は、血液、体液に熱を帯びさせ、血液の粘
性を高めます。このため全身の毛細血管の血液の流れが悪くなり、全身の筋
肉を疲労させ、関節等の痛みの原因となっていきます。この痛みは全身に波
及し、体中が異様に痛くなることがあります。特に漢方医学における胆経(た
んけい)上である、体の側面の筋肉群に痛みを発生しやすくします。
また股関節痛、偏頭痛、首の側面から肩にかけての痛みとこり、側腹部の痛
み、大腿部(だいたいぶ)側面の痛み、膝(ひざ)、下腿の外側の痛み、ひじの
内側の痛みなどを生じさせます。足関節のねんざも起こしやすくなります。
股関節に痛みが発生する場合、その原因の多くが、胆のう機能の低下、胆
汁の分泌不足にあります。体の側面部の筋肉の引きつり、固さが持続するこ
とで、股関節が位置異常を起こし、痛み、癒着、変形等へと移行してしまう
のです。
また胆汁の分泌不足は右の肩関節の痛み、四十肩、五十肩の発生の原因とし
ても作用します。右肩の肩鎖関節(けんさかんせつ)という所は、現代医学の
診断においても、胆のうとの因果関係がはっきりと明示されている場所にな
ります。
肩(上腕)の動きのほとんどは鎖骨(さこつ)の回旋と拳上によって達成されて
います。肩鎖関節が動かなくなると肩の運動が大きく制限され、この状態が
継続していくことで痛みが起こってきます。特に右肩から右腕にかけて痛み
が発生してきます。 次のページへ