胆のうをとらえなおす

胆汁の概念

胆のうから分泌される胆汁(たんじゅう)は、単なる脂肪
の消化吸収の役目を担うだけでなく、体液、血液の成分濃
度、熱を調整し一定に保つ作用があります。

また、胆汁は極めて苦い味のする体液で、苦寒薬(くかん
やく
)として、血液、体液の熱を取る作用があります。苦
寒薬とは、漢方薬の主体となるもので「良薬
(りょうやく)
口に苦
(にが)し」と言われるように、苦い生薬(しょうや
)を用いることで、体内の炎症や組織の内熱を取り去り、
体の機能を回復させていきます。

つまり胆汁は、この苦寒薬と同様の体液調整作用を担って
います。胆汁の分泌に異常が生じた場合には、血液、体液
が熱をもち、この影響で赤血球同士がゆがんだり、くっつ
き合ったりしてしまいます。さらに、血液の粘性が高くな
りどろどろとした血液状態となり
血液の循環を停滞させ、
毛細血管をつまらせる原因となっていきます。このように
胆汁の分泌が悪くなると血液の質が低下し、循環を悪くし、
成分組成を大きく乱します。この血液の質、循環、成分を
元に戻す対応として体は、一過性に血糖値を上げたり、血

圧を高くしたり、尿酸値を高くしたりしていきます。
糖尿病やリウマチ、高血圧、痛風などの病の背景には、胆
汁の分泌低下が存在していたのです。  次のページ