症状とは、一言でいえば炎症といってもよいでしょう。
人体のすべての生理機能は、体温が36度5分に維持されることで、その
生理活動を一番円滑に営ませています。つまり、36度5分という熱を発生
させて生理活動を行ない、生きていくことができているのです。
 そのための作用を基礎代謝力とよび、それを維持する機能を恒常性維
持機能(ホメオスターシス)といっています。
 恒常性維持機能の主たる働きは、生理活動が弱っている組織、器官に
は、熱を発生させて代謝を活発にさせ、その発生した余分な熱を速やか
に体外に捨てることです。そして体内の温度を常に36度5分に維持するよ
うに働いています。
 生理活動を活発にするためには「熱」が必要であり、しかしその発生した
余分な熱は速やかに体外に捨てなければならないのです。つまり、人間
は恒常性を維持することで生理活動を営んでいます。その恒常性が失わ
れると、身体はある症状を呈して恒常性を取り戻そうとするのです。低下
した生理活動を活性化するためには代謝活動を正常時よりもより活発に
させる必要があるのです。そのためには代謝活動に必要な血液を集めな
くてはなりません。血液が異常に集まってくると充血症状を起こし、熱を発
生するわけです。


 症状とはまさしく熱の発生です。つまり症状の代表は「炎症」を起こすと
いうことです。
 故に、病気いうのは、ほとんどが何々炎という「炎症」の名称がつくので
す。皮膚炎、筋肉炎、アキレス腱炎、関節炎等、口内炎、髄膜炎、子宮内
膜炎、扁桃炎、耳下腺炎、胃炎、肝炎、肺炎、腎炎、膀胱炎、大腸炎等、
あげていけば枚挙にいとまがないでしょう。
 症状とは「炎症」なのです。生理活動を元に戻すためには熱の発生が
必要であり、元に戻ればその熱は速やかに処理しなくてはなりません。
生きていくということはまさに「熱」との闘いともいえるのです。体内の熱を
どう処理するかということが生命維持にとって重要なことになるのです。
 たんぱく質でできている私たちの身体は0.5度の体温の上昇にも、生理
機能は大きく変化し、「生」への対応を見事にやってのけているのです。
生きていくために必要な熱量を基礎代謝量といいますが、実はこの栄養
は、体内の熱の処理に必要な代謝量を表すのが正しい見解なのです。



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症状とは何か